第16回日本薬局学会学術総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-131-B] 薬局における腎機能の確認とトレーシングレポートの活用

西本 舞1, 大橋 朋子1, 伊藤 仁1, 戸田 弘2 (1.(株)ユニスマイル エムハート薬局 久保新町店, 2.(株)ユニスマイル 東海第一事業部 東海第二ブロック)

【目的】腎機能低下時に注意が必要な薬剤は多数存在し、高齢化に伴い慢性腎臓病(CKD)の患者が増加する中、治療を安全に行うために薬剤師が関わっていくことは非常に重要である。エムハート薬局久保新町店では、来局患者の腎機能を確認し、eGFR60 ml/min/1.73m 2未満の患者にはお薬手帳にCKDシールを貼付して注意喚起を行っている。今回、腎機能に関して、トレーシングレポートを活用して医師に情報を伝達した症例を報告する。
【方法】エムハート薬局久保新町店で腎機能eGFRを確認した患者について、その内容を集計した。またトレーシングレポートの内容を調査した。調査期間は2021年3月~2022年3月までの約1年とした。
【結果】期間中に腎機能を確認した件数は325件であった。eGFR60 ml/min/1.73m 2未満の患者は122件、そのうち30 ml/min/1.73m 2未満の患者は15件であった。CKDシールを貼付した患者は11件であった。既に貼付済みの患者は30件であった。またトレーシングレポートの提出は23件あり、そのうち腎機能に関するものは4件あった。
事例1:アログリプチン・ピオグリダゾン配合錠を服用中の患者の腎機能がCr:1.52mg/dl、eGFR:37.5ml/min/1.73m 2であった。トレーシングレポートを提出したところリナグリプチン錠5mgに変更となった。
事例2:セチリジン錠10mgを服用中の患者の腎機能がCr:1.09mg/dl、eGFR:36.3ml/min/1.73m 2であった。トレーシングレポートを提出したところセチリジン錠5mgに変更となった。
【考察】トレーシングレポートは、腎機能に関する物が一番多く、いずれも用量調節、もしくは薬剤の変更に繋がっている。これは電話による疑義照会と比べ、検査値などの詳細なデータが示せるため意図を伝えやすかった事が要因と考える。トレーシングレポートは薬剤師が薬物療法に介入する一助となるため、今後は提出する機会を増やし、薬物療法の安全性をさらに高めたい。