第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-146-B] 高次脳機能障害を持った糖尿病患者への多職種連携を通じた介入事例

小林 有香 ((株)フクシメディカル フクシ学園薬局)

【はじめに】近年益々重要視される居宅在宅医療への薬剤師介入について、高次脳機能障害を持った糖尿病患者への多職種連携を通じた介入事例を紹介する。【取り組み概要】70歳代女性、当薬局のかかりつけ患者
20XX年 10か月間、来局の無いかかりつけ患者に連絡が取れず手紙をお送りした。交通事故を起因とする脳梗塞を発症しており要介護状態となっていることが判明。連絡を機にケアマネージャーとの打ち合わせを行い20XX年+1か月より患者の居宅療養管理指導を依頼された。
20XX年+2か月。現服用薬を確認したところ糖尿病薬の処方が以前に比べ減少していた。交通事故の入退院時に処方が削除されたことが起因している様子。薬剤師より患者に血液検査を推奨し、HbA1c 11.8%が確認され糖尿病専門医紹介となりインシュリン自己注射が開始となった。
20XX年+4か月 高次脳機能障害及び家族の協力が得られない事より、インシュリン自己注射の自宅での継続は難しいと判断。薬剤師から入院時カンファレンスにてGLP-1皮下注射を提案し採用された。糖尿病管理のため2週間入院を経てHbA1c 7%台になった。
退院時カンファレンスにてGLP-1皮下注射を訪問看護師が使用。薬剤師による服薬及び副作用等の管理のため週1回訪問となった。
同時期に、服薬コンプライアンス是正を目的とし薬剤師より、B病院に1日2回から1日1回のFXa阻害剤に処方提案を行い承認された。【考察】かかりつけ患者が来局されない事に気づき、薬剤師からの連絡により居宅服薬指導が開始となった事例である。
薬剤師による血糖値管理状況、糖尿病薬処方内容確認等の提案がなければ、持続的高血糖による急性合併症及び生命の危機も懸念される。以上よりかかりつけ患者への定期的連絡また、高次脳機能障害患者の血糖コントロールへの薬剤師介入は必要と思われる。