第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-161-B] 登録販売者が認知行動療法的アプローチによる健康支援を可能とするためのオンライン型研修プログラムの開発

渡邉 文之1, 田沼 和紀2, 前田 初代1, 稲月 佳乃子1, 西山 和瑚1 (1.日本大学薬学部, 2.株式会社カメガヤ(フィットケアデポ))

【目的】本研究は登録販売者(登販)が来店者に対して認知行動療法的アプローチ(CBT-A)による健康支援を実施可能とすることを目的としたオンライン型研修プログラムの開発である。
【方法】本研究は予備的研究として行った。研修プログラムは、事前にCBT-Aの導入部分をオンデマンド配信による事前学習用として作成したVTR(30分/本×3本)を受講してもらい、研修当日にはZOOMを用いて「事前学習内容の復習」および「考えと気分の切り分けの練習」を行い(1時間)、その後模擬相談者(相談者)に対する相談対応のロールプレイング(2時間)によるオンラインライブ研修を行った。研究デザインは前後比較とし、研修前後にZOOMを用いて相談者に対するロールプレイングを行い、登販及び相談者に各種満足度、相談対応同盟度及び心の乖離度の指標を用いて評価を行った。
【結果】登販の内訳は男性3名女性5名で、勤務年数は10.0±7.0(平均±SD)年であった。事前学習用VTRの満足度及びオンラインライブ研修の満足度はほとんどの項目において肯定的な回答だった。相談者の相談対応同盟度の前後比較では「目標の一致」は有意に向上し、相談対応満足度の前後比較では「変容」および「満足度」は有意に向上した。登販の相談対応同盟度では「課題の一致」は有意に向上した。登販と相談者の心の乖離度は全ての項目において差は見られなかった。
【考察】新たに開発したオンラインの研修プログラムは満足度、相談対応同盟度及び心の乖離度の結果から登販にCBT-Aのエッセンスを理解させ、健康支援に必要なコミュニケーションスキルを向上させる可能性を示した。一方、事前学習用VTRには内容の難度に偏りが見られ、理解のしづらさに繋がっていることが確認できた。今後は抽出された課題をもとに研修プログラムを改良し、被験者数を増やして介入研究を行いたい。