第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-175-A] 薬剤師補助業務(PA業務)に対する薬局薬剤師の業務変遷への意識調査

島 可奈1, 山本 季美江1, 西城 みゆ希1, 荒木 幸子1, 角野 友子1, 近藤 由佳2, 井上 知美2, 石渡 俊二2, 小竹 武2 (1.(株)フロンティア, 2.近畿大学)

【目的】法的に実施できる範囲が薬生総発0 4 0 2第1号の通知により明確となり、薬局事務員のPA業務の実施を薬剤師の対人業務の充実を目的に積極的に導入することとなった。業務改革の効果として、薬局におけるパートナー(PA)業務の進捗と薬剤師の業務変遷について、薬剤師の意識および業務の変化について把握することは極めて重要である。
【方法】(株)フロンティアの調剤薬局に勤務する薬剤師に基本情報、職場環境、PA業務および対人業務に対する意識について、無記名によるアンケートを実施した。アンケート回答における関連性については、χ2乗検定およびt-検定で解析し、有意確率p<0.05を有意差ありとした。
【結果】アンケート有効回答は147店舗501名、女性73%、常勤78%、医療現場の通算勤務年数15.6±9.8年、当社の勤務年数9.2±6.8年であった。「業務量が多いと思う」(46%)と「配属施設満足」(74%)に逆の相関が認められた(p=0.0374)。PA業務導入は85%が進展していると考えており、また、薬局の運営におけるPA業務は95%が重要性を感じていた。さらに「PA業務の進展」と「配属施設満足」および「薬剤師の対人業務の増加」に強い相関が示された(p<0.0001)。また、「対人業務の増加」は「自己啓発を積極的に行っている」と強い相関を示した(p=0.0002)が、「責任感」と相関を示さなかった(p=0.181)。PA業務において習得に最も時間がかかると思われている業務は「医薬品管理」であり、「人材育成」に十分に配慮されていることを50.3%が肯定していなかった。
【考察】多忙を感じるほど満足度が低下することから、PA業務の積極的導入が重要であり、薬剤師の業務変遷に強く影響していることが示唆された。さらに業務変遷のニーズに対応するため、薬剤師の管理能力と薬局事務員の成長や向上等が求められ、教育システムの充実が課題であることが示唆された。