第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2022年11月6日(日) 15:10 〜 16:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-183-C] 小児在宅医療研修会の効果検証-研修会前後のアンケート調査から-

池田 里江子1, 中根 直子1, 星野 篤生2, 井上 直子1,2, 鮎沢 道代1, 角田 多恵1, 大谷 桜1, 鈴木 栄1, 山崎 あすか1, 山内 大輔1, 猪股 鉄也1, 関谷 陽子1, 大嶋 繁1,2, 畑中 典子1 (1.埼玉県薬剤師会, 2.城西大学薬学部)

【目的】埼玉県薬剤師会は、医療的ケアを必要とする小児を支えるための事業の一環として、薬局薬剤師を対象とした小児在宅医療研修会(以下、研修会)を実施し、研修会参加者に対して、研修会の理解度などを聞くアンケート調査を行った。このアンケート結果を集計および解析し、研修会の効果を明らかにした。
【方法】研修会参加者を対象に、研修会直前、直後、2か月後にインターネットアンケートを実施した。3回のアンケート全てに回答した101名の回答者を解析対象とした。アンケートでは、回答者の経験年数や小児在宅医療への関与の有無などの基本情報の他、研修会による意識および行動変化に関して5件法で回答を得た。得られた回答を1~5の得点として解析した。研修会前後の意識および行動は、回答者全員を対象に前後比較を行った。また、小児在宅医療への関与の有無を「関与なし」(n=59)、「調剤のみ実施」(n=20)、および「訪問あり」(n=22)の3群に分類し、研修会前後の意識および行動変化、研修会直後の意識、研修会2か月後の行動を3群間で比較した。
【結果】「学びたい」という意識は、小児在宅医療へ関与していない群のみで研修前に比べて2カ月後で有意に上昇していた(p=0.008)。「小児在宅医療について学んでいる」という行動は、回答者全員を対象とした場合に、2カ月後で有意に上昇していた(p=0.01)。「前向きに取組みたい」という意識は、訪問している群で関与していない群に対して研修会直後の調査で有意に高かった(p=0.05)。「業務で活かされている」「多職種と連携を取った」という行動は、訪問している群で関与していない群に対して2か月後の調査で有意に高かった(p<0.001)。
【考察】研修会の内容は、小児在宅医療に関与していない人の学習意欲を高めたと考えられることから、今後の小児在宅医療への関与へつながることが期待された。また、小児在宅訪問を行っている人の行動を高めたと考えられた。