第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-186-C] ベンゾジアゼピン系薬剤や抗精神病薬と便秘との関連性の調査

近藤 常勝1, 本多 健郎2 (1.(株)フクシメディカル フクシ千渡薬局, 2.(株)フクシメディカル フクシ塩原薬局)

【目的】精神科領域において頻繁に使用されているベンゾジアゼピン系薬剤(以下BZ系薬)と抗精神病薬はその副作用として抗コリン作用が問題となっている。抗コリン作用の代表的な症状として便秘が挙げられるがこれは患者のQOLを著しく下げる着目すべき副作用である。今回の調査ではBZ系薬や抗精神病薬と代表的な副作用である便秘にどのような関連があるか明らかにするために下剤の量に着目して処方内容の調査を行った。【方法】2022年4月1日~4月7日の7日間、弊社3店舗、3箇所の医療機関より受け付けた全ての処方せん(計590件)について処方内容を調査した。調査としては下剤の量を便秘の指標としBZ系薬(ベンゾジアゼピン系睡眠薬、ゾルピデム酒石酸塩、ゾピクロン、エスゾピクロンを含む)と抗精神病薬との関連を検討した。下剤の量とは1日あたりの下剤の服用錠数の合計とした。また、規格の違いによる錠数を調節するために各薬剤の最小規格を基準として錠数を算出した。抗精神病薬はクロルプロマジン換算(以下CP換算)を用い比較を行い、BZ系薬は下剤と同様に最小規格を基準とした錠数で比較した。【結果】下剤の量がCP換算値の高用量群(CP値500以上)では平均3.85錠に対して低用量群(CP値1~200未満)では平均0.58錠と高値群で有意に増加していた。BZ系薬に関しては低用量群(0~2錠未満)で0.76錠、中用量群(2~4錠未満)で0.57錠、高用量群(4錠以上)で0.86錠であり、いずれと比較しても下剤の量に有意な差は得られなかった。【考察】従来からBZ系薬による抗コリン作用には注意する必要があると言われて来たが今回の研究結果で便秘に関してのみ言えば関連が少ないことが示唆された。抗精神病薬に関しては用量依存的に下剤の量が増加していたことからも、便秘の副作用について患者へ積極的に説明する必要があると考えられる。また、これらの薬剤は併用する場合が多かったため各薬剤の抗コリン薬の強弱までは考察できなかった。