第16回日本薬局学会学術総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-189-C] 保育所・幼稚園職員のアレルギー児対応に関する地域薬局の支援の在り方についての検討

平田 悟史1,4, 尾上 洋2, 笹井 久美子3, 小笠原 智子3, 坂本 優子3, 加地 弘明4 (1.(株)ファーマシィ 薬局本部, 2.(株)ファーマシィ 学術支援部, 3.ファーマシィ薬局さんて, 4.就実大学大学院医療薬学研究科)

【目的】小児のアレルギー疾患罹患者数はここ数十年で増加しており、保育所・幼稚園では、保育士・教諭(以下職員)による医薬品使用の介助(与薬)が行われている。保育所・幼稚園におけるアレルギー疾患への対応は、ガイドライン(以下GL)に基づき行うこととされているが、医薬品使用の介助(与薬)に関しては、不適切な事例も報告されている。そこで、保育所・幼稚園の職員に対する地域薬局による支援のあり方を模索するためにアンケート調査を実施した。
【方法】広島県福山市の保育所・幼稚園の職員に対し、Googleフォームを用いたアンケート調査を実施した。アンケートでは、アレルギー児を受け持った経験の有無、GLに記載されているアレルギー疾患に関する情報が必要かどうか、GLの活用状況等を質問し、回答結果は単純集計を行った。
【結果】GLについて、「利用していない」もしくは「ほとんど利用していない」との回答が37.5%をしめた。アレルギー児を受け持った経験について、アレルギー性鼻炎は60.4%、アトピー性皮膚炎は60.9%、気管支喘息は71.1%、食物アレルギーは94.4%、アナフィラキシーは48.7%があると回答した。またそれらの疾患に対して90%以上の職員がその知識・情報を得たいと答え、最も必要な情報は「普段の生活で気をつけること」と回答した。一方、アナフィラキシーに関しては「医薬品の使用方法」が他の疾患に比べ多かった。
【考察】アレルギー児を受け持った経験のある職員の割合は高く、アレルギー疾患に対する関心も高いことがわかった。一方で、GLを生かした知識習得や実践は十分でないと考えられた。今後、地域の薬局が医薬品の使用方法をはじめ、アレルギー疾患についての知識提供や対処方法の指導を積極的に行っていくことは、公衆衛生の向上及び増進といった薬局・薬剤師の責務を果たすこと、ひいては職員の与薬に対する不安軽減、園児の保護者に対する安心の提供につながると考える。