[P-197-B] 薬局職員の業務中及び休憩中における新型コロナウイルス感染対策の実態比較調査
【目的】新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、調剤薬局でのクラスター発生も報告されている。多くは休憩中の感染が原因とされているが、自身の所属する組織における実態はわかっていない。本研究は、調剤薬局職員の業務中及び休憩中における感染症対策の実態調査を行い、今後の対策を検討することを目的として実施した。【方法】2021年6月26日から同年7月1日の期間で、(株)トータル・メディカルサービスの薬局店舗職員287名を対象に質問紙調査を実施した。感染症対策ガイドラインを基に9つの設問を作成し、それらを「清掃・除菌」「個人防護具の着用」「ソーシャルディスタンス・換気」の3つに分類した。2021年2月から同年4月の自身の行動について、業務中及び休憩中における各設問の実施状況を、行っていた(4点)、どちらかといえば行っていた(3点)、どちらかといえば行っていなかった(2点)、行っていなかった(1点)の4択で回答させ平均値を比較した。また副次的に各設問における4点と3点の回答を実施群としてその割合を検証した。これらの評価項目については記述統計のみを用いて比較を行った。【結果】回答率は56.4%。9問中8問で業務中と比較して休憩中の平均値が低かった。平均値に最も差がある設問は「パーテーション無しで対面会話が発生しないよう対策を行っていた」で業務中が3.67、休憩中が2.84となった。また副次的に評価した実施群の割合については、休憩中での「複数人が頻回に触れる物品の消毒を行っていた」が67%で最も低い結果となった。【考察】業務中と比較して休憩中の感染症対策が不十分であることが示唆された。休憩室へのパーテーションの設置及び対面に座らないような配慮、また休憩室の物品消毒を目的とした消毒剤の設置等の対策が必要だと考えた。今回の結果を調剤薬局における今後の感染症対策に利用してもらう為、注意喚起を目的とした資料を作成し各店舗に展開した。