第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-014-B] 臨床検査値付き処方箋応需に伴う疑義照会事例と今後の課題

栗原 絢子 (アポクリート(株)アポック川越センター前薬局1号店)

【目的】
2020 年 9 月より主な応需医療機関である埼玉医科大学総合医療センターの処方箋に血液検査データが記載されることになった。保険薬局は臨床検査値を活用して医薬品の適正使用につなげていくことが求められている。そこで薬剤師の技能向上を図る取り組みを行い、検査値に基づいた疑義照会事例を収集・分析した。
【方法】
2021 年 4 月に腎機能により減量や処方変更が必要となる医薬品を抽出し、該当した 393 品目に注意喚起の印を付けた。 2021 年 4 月 1 日から 2022 年 3 月31 日に処方箋に印字された検査値を基に疑義照会を行った事例を記録し、店舗内で情報共有した。期間終了後、薬剤師 18 名へ意識に関するアンケート調査を行った。
【結果】
期間内の薬学的疑義照会件数は 109 件であった。検査値を基に疑義照会を行った事例は 34 件であり、その内容は腎機能関連 23 件、肝機能関連 6 件、その他 5 件となった。検査値を基に行った疑義照会 34 件中 22件が処方変更となり、その内訳は減量 19 件、削除 2 件であった。処方変更となった 22 件中、腎機能関連が 19 件、肝機能関連が2 件であった。意識調査の結果、 5 段階評価(1.全く思わない~5.強くそう思う)で「検査値が処方箋に記載されていると疑義照会につながりやすいと感じる」の設問の平均は 4.8 、「事例共有がスキルアップにつながると感じる」は4.6 であった。
【考察】
検査値を基に行った疑義照会のうち腎機能に関するものが多くを占めたのは、印を付けて注意喚起したことで検査値に対する意識が向上したことや、肝機能に比べ具体的な数値が決まっているため処方提案がしやすかったこと等が関与していたと考えられる。また、疑義照会事例を共有することで薬剤師全体のスキルアップにつながり、結果として疑義照会の件数が増加したと考えられる。今後は収集した疑義照会事例を用いて適切な処方提案を行える薬剤師の育成に役立てていきたい。