一般演題（ポスター）Cグループ

[P-024-C] 日祝開局時の応需範囲の違いから見た地域医療への貢献について

^○安藤 正敏 (（株）マツモトキヨシ東日本販売 薬局マツモトキヨシ 泉中央店)

【目的】
日祝開局における処方箋応需の傾向について数値化と可視化を行い検証すること、また患者、医療機関、薬局にとってのメリットについて考察を行うことが目的である。当薬局は日祝も開局しており平日以上に応需することも多い。体感ではあるが日祝は近隣以外からの応需も多いと感じるため応需範囲が広がっている可能性がある。これらについて体感ではなく数値化と地図へのプロットを行うことで検証を行う。
【方法】
地域を宮城県内に限定し一定期間内に応需した患者の郵便番号（生年月日等個人を特定できるものは使用しない）を用いて薬局との距離の計測及び地図へのプロットを行い日祝と平日（土曜含む）での薬局までの距離の有意差についてMann-WhitneyのU検定を用いて検証を行った。なお郵便番号から該当地点（緯度経度）の決定については国土交通省のデータを使用しPythonを用いてプロットを行った。（日祝n＝985件、平日n＝1,649件）
【結果】
薬局と患者郵便番号住所までの距離について平日（平均値：4.0km、中央値：2.2km）に対し日祝（平均：5.9km、中央値：4.4km）であった。Mann-WhitneyのU検定の結果では有意に差が見られた（ｐ＜.001）。すなわち日祝の開局によって平日よりも応需範囲が有意に広がることが示された。
【考察】
日祝と平日の応需地域を比べた場合、有意に範囲が広がっていることからも一定の需要があることがわかる。これは同時に日祝では開局している薬局が少なく応需可能な薬局が限定されることを意味する。人件費や働き方等種々の課題はあるものの薬局難民の受け皿となっている。他にオンライン診療により日曜診療可能な病院を受診、0410対応や電子処方箋と合わせて薬の現物はすぐに薬局でもらうといった利用法をされる方も実際にあったので患者にとってもメリットは大きい。また応需する薬局があることで日曜診療開始となった事例もあり医療機関とともに地域医療に貢献していると考える。