第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-072-C] 血糖自己測定に伴う患者への負担と治療への影響について

山口 優紀, 梶田 和奈, 多田 夏子, 竹下 茅咲, 中島 久美, 吉田 紗千子, 則武 友香, 増田 千穂 (たんぽぽ薬局 (株))

【目的】
血糖自己測定(SMBG)の実施は糖尿病治療において有益だが、毎日の測定が負担との訴えもある。そこで、SMBGが患者に与える負担の状況と、測定により治療や運動・食事療法へ与える影響を調査し、今後の薬局薬剤師のフォローアップに必要な事柄を考察した。
【方法】
2022年10月~2023年2月の5か月間にたんぽぽ薬局T店に来局した患者を対象に測定有無、導入理由、測定の負担状況、食事・運動療法の状況、HbA1c値についてアンケートを実施した。HbA1cは、65歳未満では目標を7.0未満とし、65歳以上では「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」を参考に評価した。
【結果】
137名(測定有42名、無95名)から回答を得た。SMBG導入理由は「医師から提案」が27件で最も多く、次いで「血糖コントロール不良」10件、「低血糖対策」5件であった。27名(64.3%)が「測定は負担ではない」と答えた。「負担を感じる」は15名おり、理由として「金銭面」が6件、次いで「痛み」4件、「結果を見たくない」3件であった。
食事療法を実施している割合は、測定有では38名(90.5%)、測定無では78名(82.1%)であった。
運動療法を実施している割合は、測定有では27名(64.2%)、測定無では57名(60.0%)であった。
HbA1cを 聞き取った132名中(測定有40名、無92名)、血糖コントロール良好の割合は、測定有では19名(47.5%)、測定無では53名(57.6%)であった。
【考察】
SMBGを負担に感じている患者は予想より少なく、測定する手間や負担以上に、患者自身が導入理由とそのメリットに一定の理解を示していることが考えられる。しかし、今回の調査ではSMBGは運動・食事療法への取り組みや治療効果へ影響を与えておらず、また測定の有無に関係なく運動療法への意識が低いと言える。今後はSMBGを生かし、個々の生活習慣に合わせた指導を行い、また早い段階で運動療法への取り組みを強化することで合併症発症や進行抑制へ繋げていきたい。