第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-084-C] 医薬品供給困難下における欠品事由の分析

竹本 亮1, 藤原 想太2 (1.(株)アイセイ薬局 首都圏営業ブロック 首都圏千葉支店, 2.薬局事業支援本部 情報システム部)

【目的】
新型コロナウイルス蔓延による製造や流通の影響で医薬品供給困難な状態が続いている。欠品状況が続く中で、在庫確保のための対物業務負荷の増加や患者満足度の低下が懸念される状況である。店舗の対物業務負荷の軽減と適正化、欠品を防ぐことによる患者満足度向上の足掛かりとして欠品分析に焦点をあて本研究を行った。
【方法】
A店(主な応需診療科目:内科、眼科)、B店(主な応需診療科目:小児科、整形外科)、C店(主な応需診療科目:整形外科・脳神経外科)の計3店舗の2022年11月~2023年3月までの欠品回数、品目を当薬局の在庫管理システムにて集計、分析を行った。
【結果】
欠品薬剤系統では、A店では眼科用剤、B店では漢方製剤、C店では血圧降下薬が多く、各々の店舗での調剤回数の多い薬剤が上位を占めた。また各店舗で共通してアレルギー性鼻炎に処方される薬剤の欠品が多かった。合計の欠品回数は1143件(欠品率4.3%)。要因別に発注漏れ・発注数量ミス(653件)、面処方対応(275件)、主な応需診療科目の新規処方での欠品(128件) 、供給不安定(87件)に分類でき、欠品回数は処方医への欠品情報の情報提供や代替薬提案を行うことで、コロナ以前(2019年同期間)の1321件(欠品率5.1%)と比べると低くなった。
【考察】
コロナ以前との欠品比較において本調査期間の欠品回数、欠品率の減少は処方医への欠品状況の周知、同効薬への代替提案も一因であると考えた。結果より、発注漏れ・発注数量ミスによる欠品件数は他の要因と比較して約2~7倍多い為、今後の対策として入荷時期、日々の調剤数量を基に常在庫数量の見直しを行う必要がある。面処方対応では次回来局や発注時期の検討、新規処方による欠品は採用薬のすり合わせによる欠品回避や在庫量検討を行い、更に欠品回数を減らす様に努めていく。このように薬局で改善できる事は多く、患者に安心してお薬をお渡しできるよう、業務を見直していきたい。