第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-126-C] 往診同行した際に求められる薬剤師としての役割とその実例

元持 正樹 (なぎさ薬局グループ (有)ハヤシデラ キクヤ調剤薬局春日店)

【目的】
在宅医療において処方箋だけで医師の意図を理解する事は難しい。そこで医師の往診に同行する事で、現場で薬剤師に求められた事や患者のQOL改善につながった事例を報告する。
【方法】
2022年12月~2023年2月にサービス付き高齢者向け住宅で往診同行した14件の事例の中で薬剤師に求められた事をまとめた。
【事例1】
70代男性。癌末期。
定期薬は腸管への水分分泌薬であるリナクロチド錠のみであったが、コロナ陽性になりモルヌピラビルカプセルが処方となった。同行した際の患者の状態は寝たきりで、リナクロチド錠は何とか飲めている事を看護師に確認したがモルヌピラビルカプセルは大きい為難しいと判断し、吸湿性に注意した上で脱カプセルを提案し調剤した。その後問題なく飲めて症状が改善した事を確認した。
【事例2】
70代男性。脳梗塞。
腰痛に対してNSAIDsが処方されていたが、痛みが悪化しており、麻薬を含めた疼痛緩和について同行時に医師から助言を求められた。オピオイド系の鎮痛薬の処方を提案しその場で採用され痛みは安定した。同行時の提案により時間の削減につながった。
【事例3】
90代女性。脳梗塞。
便秘傾向の為リナクロチド錠が追加になるも下痢になってしまった為、看護師から便秘薬の相談を受けた。往診時に医師に便秘薬の分類について助言し、酸化マグネシウム錠が増量、センノシド錠の頓服が追加となり、その後便の状態は安定した。
【考察】
薬剤師が往診同行すると診察時の患者状態がわかる為、処方作成時に一包化や粉砕の必要性を伝えるなどの助言ができ、医療者側の時間の削減につながると同時に患者への投薬にも的確、かつ迅速に対応できると考える。また疼痛緩和についての助言を求められる事が多い為、緩和ケアの知識の重要性を再確認した。
往診時に医師の質問にその場で対応する事で、医師やその他医療従事者の信頼を得られ、結果としてチーム医療の一員として医療に貢献できると考える。