第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-129-C] 在宅高齢患者における薬剤師のケアプラン点検が処方提案に与える影響の検証

木村 政宏1, 鎌倉 恭平1, 大西 侑士1, 中村 千紘1, 吉本 叶多1, 榎本 明弘1, 菅原さおり1, 武田 郁子1, 田中 晃子1, 小牧 亜希子1, 品谷 徹1, 近井 優斗1, 佐野 友麻1, 古澤 洋子2, 島貫 英二1 (1.クオール(株), 2.(株)共栄堂)

【目的】
地域包括ケアシステムでは、医療職種とケアマネージャー(以下CM)、介護福祉従事者が専門性を活かしチームで患者等を支援する体制構築が重要である。居宅療養中の高齢患者は、ポリファーマシーや薬の重複・相互作用、日常生活能力や認知能力低下、フレイルなどが生じやすい。CMが患者の問題等解決の為にケアプランを作成するが、その問題等が服用薬に起因することもある。本研究では、薬剤師がケアプランを薬学的観点で点検し、CMと連携することが医師への処方提案に与える影響を検証することを目的とした。
【方法】
参加14薬局では、居宅療養管理指導においてCMと日常的に連携し,ケアプランを薬学的観点で点検している。2022年8月1日~30日に居宅療養管理指導サービスを提供した患者で、ケアプランと服用薬との関連性を確認した内容、CMに観察を依頼した事項、医師への処方提案した内容を集計した。主要評価項目は、ケアプランと服用薬で関連性あり群となし群での処方提案有無の検証とした。副次評価項目は集計した項目の要約統計量とした。クオール倫理審査委員会の承認(QOL-第045)を得た。
【結果】
主要評価項目において、Fisher正確検定を用いた結果、有意な差が得られた(p=0.008)。ケアプランと服用薬の関連あり群(22件)では、関連なし群(26件)に比べて、より多くの処方提案が行われた。確認された関連内容は、順に「運動」「食事」「排泄」であった。また、CMに依頼された観察事項は、順に「傾眠傾向」「歩行状態」「血圧」であった。両群合わせて処方提案は10件あり、そのうち8件で提案が採用された。
【考察】
ケアプランと服用薬の関連あり群では、関連なし群に比べて処方提案が行われたことから、薬剤師がケアプランを薬学的観点で点検し、CMと連携することが医師への処方提案に影響を与える可能性が示唆された。今後、他の要素や介入方法の検討を行い薬剤師の役割をより詳細に明らかにしていく。