第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-144-C] 新たな服薬情報提供フォーマットを活用した薬局薬剤師と処方医との双方向の情報連携事例

由井 洋光1, 藤田 勝久1, 藤田 勝成2, 鈴木 伸悟1, 金子 大亮3, 松久 知史3 (1.(有)ウインファーマ, 2.ウインファーマ(株), 3.(株)MCCMマネジメント 調剤サポート事業部)

【目的】
薬物療法における薬剤師の服薬フォローは治療効率上重要な役割の一つである。我々は安心・安全な薬物療法の提供へ繋げるツールとして個人診療所の処方医が薬局薬剤師へ望む服薬フォローの内容を反映させた新たな服薬情報提供書(TR)を作成した。新項目として治療の効果欄と処方医から薬局薬剤師への返答欄等を設けた。
本研究では、薬局薬剤師が服薬フォローを実施後、上記フォーマットを用いた情報提供を行うことで実際に処方医からの返答があった双方性のある情報連携ができた事例を紹介する。
【方法】
本調査は2023年3月から4月までの2か月間にウインファーマグループ及びマツモトキヨシグループの薬局において応需した処方箋交付先医療機関に対して行い、薬剤師が服薬フォローで聞き取った内容で新たなフォーマットのTRを作成し、処方医からの回答を集計した。
【結果・考察】
8薬局から9医療機関に対して15件のTRを作成し、医療機関より12件(返答率80%)の返答を得た。処方医から返答があった事例では、薬局側スタッフも今後の治療方針を把握でき、次回来局時の患者への服薬指導に関しても処方変更や処方意図について的確な指導ができるようになったと考えられる。
また従来の情報提供書では薬局からの一方的な情報提供に終わることが多いが、実際に処方医より返答が返ってくることで患者への的確な薬物療法につながり、薬局薬剤師の服薬指導に対するモチベーションアップにつながった。
今回、処方医がTRに対して積極的に返答したことは、新規追加した項目が処方医側にとっては薬局薬剤師に求める服薬フォローの内容に即していたことを示唆しており、今後も運用を継続することで検証が必要である。
引き続き今回のTRフォーマットを活用して医療機関と密に双方向連携し、患者・医療機関・薬局の三者がメリットを共有できる服薬フォローを実施していきたい