第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-147-C] さらなる高齢化社会に向けて薬局薬剤師がさらに必要とされる在宅医療への取り組みについて

篠塚 奈美 ((株)アイセイ薬局)

【目的】
2025年問題、2035年問題は我々が避けては通れない道である。それに備えて「対物から対人へ」と薬剤師は今後さらに在宅医療の担い手としての役割が求められている。本症例では患者の心情に寄り添いながら在宅業務に繋がり患者の負担を軽減できた事例を紹介する。
【症例】
80代女性、息子と二人暮し。内科・整形外科・皮膚科を受診中。要介護1。約2年前よりかかりつけ薬剤師として相談を受けている。徐々に服用している薬の数が多くなりヒートから薬を取り出すのが困難になってきたとの相談を受けた。服薬に対する苦痛軽減や飲み忘れ防止、アドヒアランスの向上を目的として、内科と整形外科の薬を併せて一包化し用法と服薬日の印字を提案し承諾された。その後、フレイル、サルコペニアが徐々に進行し杖歩行となる。かかりつけの医師から、往診の話しを持ち掛けられるもまだ自力で受診したいという患者の希望により往診は見送られ在宅業務に繋がらなかった。とはいえ、受診後薬局に処方箋を持参し一包化を待ち、薬を持って自宅に帰るというのは患者にとって負担が大きいため負担を軽減すべくケアマネージャーに連絡をし、患者には処方箋を薬局に提出して帰宅していただき、薬のお届けや残薬調整などを全て任せていただけるよう説明した。結果、在宅業務へと繋がり担当者会議等で他業種の方々と共に患者に安心して生活を送ってもらえるよう提案が出来ている。
【考察】
在宅業務を引き受けるにあたり先ずは患者との信頼関係が大切である。さらにケアマネージャーへの積極的なアプローチ、医療従事者としての患者に真摯に向かい合うことも大事である。在宅業務は薬の管理だけではなく患者の生活環境の暮らしの把握も大切であることが分かった。住み慣れた環境で長く生活を続けられるよう薬剤師は薬の専門知識を活かし、多職種と積極的に連携をとって患者と柔軟に関わっていくことが必要である。