第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-222-C] 糖尿病患者に対する歯科受診勧奨の重要性

菊池 郁哉1, 杉山 愛玲香2, 杉本 和佳子1, 原 和夫1, 安達 禎之2 (1.(株)わかば, 2.東京薬科大学)

【目的】
歯周病は糖尿病とも相互に関わり合う重大な疾患であり、口渇が原因で口腔内の自浄作用が低下し歯周病菌等が繁殖しやすくなる。また、歯肉炎症はインスリン抵抗性や咀嚼に影響を及ぼすとされているが、糖尿病患者において歯周病に対する意識は他の合併症よりも低く、周知や意識改善が重要である。そこで本研究では糖尿病患者の歯周病に対する認知度、口腔ケアへの意識を把握し、啓発活動や歯科受診勧奨をすることで口腔ケアに対する意識改善や行動変化を促す取り組みを実施した。
【方法】
2022年9月~12月に外来糖尿病患者を対象とし服薬指導時に聞き取り調査を行った。1回目来局時は基本情報や歯周病に関する認知の状況、現在の歯科通院状況等の8項目について聞き取りを行い作成した情報提供資材を配布し、翌来局時には前回来局後からの歯科通院状況や意識変化等の4項目について聞き取りを行った。
【結果】
調査に協力していただいた糖尿病患者は61名であった。1回目の調査によると、糖尿病患者は歯周病になりやすいと知っていると答えた者は30名(49.2%)であった。歯周病と糖尿病が相互に影響すると知っていると答えた者は23名(37.7%)であった。口腔ケアのために歯科通院をしている者は25名(41.0%)だった。口腔ケアは主にセルフケアであり、歯間ブラシ、マウスウォッシュ等で対応していることがわかった。受診勧奨を行った結果1回目と2回目の間に歯科を受診した者が13名(32.5%)、口腔ケアに対する変化があったと答えた者は8名(20.5%)だった。
【考察】
糖尿病の三大合併症と言われている腎症、網膜症、神経障害などに比較して歯周病は認知度が低いと言われているが、本研究では高齢者の意識が高かった。しかし周知向上や意識改善に対しては若い世代にも積極的に介入する必要がある。様々な世代の患者に対して情報提供を積極的に行うことで、歯周病啓発と糖尿病改善促進に貢献できると考える。