第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-231-C] 副腎皮質ステロイド外用剤及びヘパリン類似物質外用剤の混合における先発医薬品と後発医薬品の物理的性質の比較

角南 彩乃1, 櫻田 大也1, 小野寺 隆芳2, 丸 宗孝2, 小林 江梨子3, 佐藤 信範1 (1.千葉大学大学院薬学研究院 社会薬学, 2.(株)マル・コーポレーション, 3.城西国際大学薬学部 社会薬学)

【目的】
アルクロメタゾンプロピオン酸エステル含有軟膏(ALCO)とヘパリン類似物質含有クリーム(HPOC)の先発及び後発医薬品による混合製剤の物理的性質を検討した。
【方法】
ALCO:アルメタ軟膏(ALM)、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル軟膏0.1%「イワキ」(IWK)、HPOC:ヒルドイドソフト軟膏0.3%(HDS)、ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」(NCK)を用いて、ALM+HDS(混合A)、ALM+NCK(混合B)、IWK+HDS(混合C)を対象とした。物理的性質は、スプレッドメーターを用いて傾斜S、切片IC、降伏値YVを算出した。測定はday0,7,14,28、25±2℃、n=3で実施し、混合比は1:1とした。
【結果】
混合Aと混合Bの比較では、傾斜Sのday0,28でそれぞれ有意差(p<0.05)があり、day28で混合Aでは4.40±0.07mm(平均値±S.D.、以下同じ)、混合Bでは4.92±0.05mmであった。切片IC及び降伏値YVでは、全ての時点で有意差(p<0.05)があり、day28で切片ICが混合Aでは28.92±0.10mm、混合Bでは31.83±0.31mm、降伏値YVが混合Aでは2.99±0.09Pa、混合Bでは1.56±0.08Paであった。混合Bはday7で液体を生じた。混合Aと混合Cの比較では、傾斜Sのday0,28でそれぞれ有意差(p<0.05)があり、day28で混合Aでは4.40±0.07mm、混合Cでは4.78±0.16mmであった。切片ICはday0,14,28でそれぞれ有意差(p<0.05)があり、day28で混合Aでは28.92±0.10mm、混合Cでは26.97±0.40mmであった。降伏値YVは全ての時点で有意差はなかった。なお、測定時の湿度は34%から69%の範囲であった。
【まとめ】
混合Bはday7で液体を生じたため、ALMとNCKの混合時には液体が生じる可能性があることに注意が必要であると考えられる。その他の点については、有意差が認められる時点にばらつきが見られた。nが3であるため、n数を増やして検討する必要があると考える。