[P-232-A] 薬学部生に対する認知行動変容アプローチに基づく服薬支援演習の実施報告-受講者の立場から-
【目的】
認知行動変容アプローチは患者の抱く不安に寄り添い、よりバランスのとれた考えを獲得することにより気分の改善を促すものであり、うつ病の治療への有効性が立証されている。この度、本学薬学部の特別演習・実習において、薬学部 5 年生(発表者)を対象とした認知行動変容アプローチを服薬指導に活かす演習を新たに実施した。本発表ではそのプログラム内容及び期待できる効果について受講者の立場より報告する。
【方法】
本演習は2023 年 2-4 月、発表者(薬学部 5 年生)1 名を対象に実施された。当演習は基礎的段階(15日、35時間)と実践的段階(10日、20時間)の二段階から成る。基礎的段階では、うつ病治療および認知行動療法に関する学習を行った。実践的段階では、うつ病模擬患者(以降、患者とする)の症例を想定した服薬指導のロールプレイが行われた。ロールプレイでは初回指導時、2回目以降指導時、維持期などを想定し、各々の時期の患者の考えの偏りや不安を聞き出し、会話のなかで認知再構成を目指した。会話内容は全て録画・録音し、会話録及び思考記録表を作成し、会話の修正点を検討した。
【結果】
本演習は予定通り完遂された。基礎的段階では薬の特徴・副作用に関する理解が深まった。会話録の内容検討により自身の発言を客観視することができ、思考記録表の記入を繰り返すことで認知再構成の手順を理解できた。さらに、対話の中で患者の考えと気分の変容を体験することができた。しかし反証を会話から導くことは困難であり、患者の思考の変容には至らない例もあった。
【考察】
本演習は十分に基礎的知識を備えたうえでロールプレイを豊富に行うことができる点が特徴であると感じた。しかし、反証を導くことは難しく、さらに時間が必要であると感じた。また、本演習は少人数を対象に行うことが適している内容であると感じた。今後は、教育効果を測定する手段の検討も必要であると考える。
認知行動変容アプローチは患者の抱く不安に寄り添い、よりバランスのとれた考えを獲得することにより気分の改善を促すものであり、うつ病の治療への有効性が立証されている。この度、本学薬学部の特別演習・実習において、薬学部 5 年生(発表者)を対象とした認知行動変容アプローチを服薬指導に活かす演習を新たに実施した。本発表ではそのプログラム内容及び期待できる効果について受講者の立場より報告する。
【方法】
本演習は2023 年 2-4 月、発表者(薬学部 5 年生)1 名を対象に実施された。当演習は基礎的段階(15日、35時間)と実践的段階(10日、20時間)の二段階から成る。基礎的段階では、うつ病治療および認知行動療法に関する学習を行った。実践的段階では、うつ病模擬患者(以降、患者とする)の症例を想定した服薬指導のロールプレイが行われた。ロールプレイでは初回指導時、2回目以降指導時、維持期などを想定し、各々の時期の患者の考えの偏りや不安を聞き出し、会話のなかで認知再構成を目指した。会話内容は全て録画・録音し、会話録及び思考記録表を作成し、会話の修正点を検討した。
【結果】
本演習は予定通り完遂された。基礎的段階では薬の特徴・副作用に関する理解が深まった。会話録の内容検討により自身の発言を客観視することができ、思考記録表の記入を繰り返すことで認知再構成の手順を理解できた。さらに、対話の中で患者の考えと気分の変容を体験することができた。しかし反証を会話から導くことは困難であり、患者の思考の変容には至らない例もあった。
【考察】
本演習は十分に基礎的知識を備えたうえでロールプレイを豊富に行うことができる点が特徴であると感じた。しかし、反証を導くことは難しく、さらに時間が必要であると感じた。また、本演習は少人数を対象に行うことが適している内容であると感じた。今後は、教育効果を測定する手段の検討も必要であると考える。