第17回日本薬局学会学術総会

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パネルディスカッション

パネルディスカッション
「認知症の口腔ケアを考慮した在宅治療」

Mon. Oct 9, 2023 2:20 PM - 3:50 PM 第1会場 (1号館2階 センチュリーホール)

ファシリテーター:玄 景華(朝日大学 教授,)日比野 泰章(たんぽぽ薬局株式会社 執行役員 薬局事業本部 副本部長 経営企画室 室長)

[PD-2] 認知症の口腔ケアの実際と薬剤師との連携

坂井 謙介 (医療法人隼和会 理事長 坂井歯科医院 院長)

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 口腔ケアは私たちが普段から行なっている日常的なケアの一つである。認知症が進行することでセルフケアを行うことが難しくなってくるため、その進行度により口腔ケアのアプローチは大きく異なる。また歯科医療従事者が専門的な知識と技術を持って口腔の管理を行うことを口腔健康管理といい、口腔機能管理と口腔衛生管理からなり、口腔ケアという言葉と分別をしている。
 軽度であれば自分自身で口腔ケアが可能でありセルフケア指導を要し、進行すると介助が必要になると思われていることが多い。そして、必要な口腔ケアがなされないと誤嚥性肺炎や摂食嚥下障害をはじめとした様々な問題が出てくるため、日々の口腔ケアと歯科の連携は欠かせない。
 実際には軽度であっても自分自身では必要な部分をケアすることが難しく、歯科医療従事者から見ると介助を要する場合が多い。しかし、支援や受け入れなどの問題から介入ができないケースが認められ、軽度から進行中の段階での口腔ケアが最も難しいのではないかと感じている。
 さらに認知症が進行すると口を開くことも難しいケースも多いため、進行してから歯科診療を依頼されることもある。もちろん様々な手法で開口を促し、口腔衛生管理を行なっていくのだが、大切なのはできるだけ早期からの介入である。
 一方で口腔乾燥や出血、嚥下障害といった口腔の問題が服薬との関係で起きていることも多い。利尿薬や抗アレルギー薬は口腔乾燥の原因となり味覚にも影響を及ぼすし、向精神薬により嚥下障害が起こりうる。抗血小板、抗凝固薬より処置時の出血に注意しなければならないし、ビスホスホネート製剤による顎骨壊死も認知されてきている。
 このような薬剤の種類を考えると、いかに在宅支援を必要としている患者の口腔に関する問題と薬剤が関係しているかがわかる。このため、在宅支援においても薬剤師との綿密な連携が必要であると考える。
 今回 様々な症例を提示しながら 連携の必要性にも触れつつ話をしたいと思う。