第17回日本薬局学会学術総会

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シンポジウム

シンポジウム5
「がん啓発活動から地域連携まで:薬局薬剤師ができること」

Mon. Oct 9, 2023 9:00 AM - 10:30 AM 第1会場 (1号館2階 センチュリーホール)

座長:高橋 郷(国立国際医療研究センター国府台病院 副薬剤部長),長久保 久仁子(株式会社メディカルファーマシー 人材開発担当副部長 ミキ薬局日暮里店店長 管理薬剤師)

[SY5-4] 専門医療機関連携薬局の地域連携への挑戦

本田 雅志 (総合メディカル株式会社 学術情報部兼そうごう薬局天神中央店 上級専門薬剤師)

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 2021年から薬局の認定制度の一つとして、専門医療機関連携薬局の認定が開始された。2023年4月現在、全国で146認定されている専門医療機関連携薬局はその認定要件として「がん治療に係る医療機関との連携構築」は勿論のこと、「地域の他の薬局に対するがんに係る専門的な内容の研修の実施」や「地域の他の医療提供施設に対するがんに係る医薬品の適正使用に関する情報提供」などが求められており、地域のハブとなることが期待されている。
 2021年に専門医療機関連携薬局の認定を取得したそうごう薬局天神中央店(当薬局)は、2011年からがんに関する取り組みを開始した。同時期にがん診療連携拠点病院と当薬局を含む近隣の薬局の連携構築が開始されたが、当初はがんに関する知識やスキルも十分ではなく、所謂「横のつながり」を意識する余裕すら無かった。その後研鑽を重ね、外来がん治療認定薬剤師の資格取得、がん対話カフェの開催、保険薬局における外来がん薬物治療患者への標準応対手順の開発、薬剤服用期間中のフォローアップへの対応など、様々な取り組みを進めてきた。その過程で「福岡オンコロジー病診薬連携研究会(当会)」に関われたことが、地域連携に改めて目を向けるきっかけとなったと思う。
 当会は福岡地区にある複数のがん診療連携拠点病院と薬局薬剤師の有志が集まったものであり、主に地域の薬剤師向けにがんに関する勉強会を開催することを通して、地域の病院・薬局薬剤師のボトムアップを目指している。これまでに勉強会を10回開催し、のべ700人の参加があり、地域の薬剤師のレベルアップに貢献できた。一方で、大勢に向けた勉強会という手法でお伝えできるのはあくまで一般的な知識に留まる場合が多く、もう一歩踏み込んだ取り組みが必要であるとも考える。
 現在、当薬局では「地域の薬局での受け取りを希望する患者に対するサマリー文書の作成および送付」や「福岡市内の専門医療機関連携薬局同士の連携強化」など、今まで以上に地域に貢献するための試みを行っている。
 今回のシンポジウムでは当薬局が関わってきた様々な取り組みを紹介することを通して、がんという疾患に関して、薬局薬剤師が包括的にできることを共に考えていきたい。