[AO-05] アトピー性皮膚炎治療薬(デュピルマブ注)の使用中における有害事象の実態とその調査
【目的】難治性アトピー性皮膚炎治療薬(デュピルマブ注、以下D注)は優れた症状改善効果がある一方で、眼障害や注射部位反応などの有害事象も報告されている。これらは患者の治療継続に影響を与える可能性があるため、薬局薬剤師が早期より介入し、フォローを行う必要がある。本研究はその実態について調査、分析を行った。
【方法】2019年4月から2024年9月の間にD注を半年以上継続使用した18歳以上の患者40名に対し服薬指導時に目の痒み、炎症、注射部位の痛みについて聞き取りを行った。有害事象が発生した患者については、その後の症状変化についてフォローを行った。また、花粉症の有無と眼障害の関係についても検証した。
【結果】目の痒みや炎症を訴えた者は40名中22名(55%)、そのうち症状が消失した者、使用期間を通して症状が継続していた者はそれぞれ11名であった。また、花粉症の有無による眼障害の発症リスクを検証したところ、リスク比は3.0(95%信頼区間1.74~5.16)であった。注射部位の痛みを訴えた37名にその許容度について聞き取りを行ったところ、18名(48.6%)が「我慢できる、苦にならない」、10名(27.0%)が「辛い」、8名(21.6%)が「気にならない」と回答した。
【考察】眼障害については、点眼剤との併用で症状が和らいでいる患者が多く、治療の継続に影響は見られなかった。また、今回の調査で基礎疾患に花粉症を持つ患者がより眼障害を起こしやすいという知見が得られたため、処方医にフィードバックを行った。注射部位の痛みについては2名が治療を断念しており、2022年に行った調査でもD注の主な中断理由の一つに注射痛が挙げられていた。患者に治療を継続してもらうためには各種医療制度の紹介を早期に行うこと、予測される有害事象について事前にアドバイスを行うこと、また、現れた場合には患者個々に適切な指導を行うなど、薬局薬剤師の細やかな対応が求められると考える。
【方法】2019年4月から2024年9月の間にD注を半年以上継続使用した18歳以上の患者40名に対し服薬指導時に目の痒み、炎症、注射部位の痛みについて聞き取りを行った。有害事象が発生した患者については、その後の症状変化についてフォローを行った。また、花粉症の有無と眼障害の関係についても検証した。
【結果】目の痒みや炎症を訴えた者は40名中22名(55%)、そのうち症状が消失した者、使用期間を通して症状が継続していた者はそれぞれ11名であった。また、花粉症の有無による眼障害の発症リスクを検証したところ、リスク比は3.0(95%信頼区間1.74~5.16)であった。注射部位の痛みを訴えた37名にその許容度について聞き取りを行ったところ、18名(48.6%)が「我慢できる、苦にならない」、10名(27.0%)が「辛い」、8名(21.6%)が「気にならない」と回答した。
【考察】眼障害については、点眼剤との併用で症状が和らいでいる患者が多く、治療の継続に影響は見られなかった。また、今回の調査で基礎疾患に花粉症を持つ患者がより眼障害を起こしやすいという知見が得られたため、処方医にフィードバックを行った。注射部位の痛みについては2名が治療を断念しており、2022年に行った調査でもD注の主な中断理由の一つに注射痛が挙げられていた。患者に治療を継続してもらうためには各種医療制度の紹介を早期に行うこと、予測される有害事象について事前にアドバイスを行うこと、また、現れた場合には患者個々に適切な指導を行うなど、薬局薬剤師の細やかな対応が求められると考える。