第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

優秀演題候補セッション(ポスター)

優秀演題候補セッション(ポスター)

2024年11月3日(日) 13:00 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[AP-12-C] オンラインでのチーム基盤型学習による薬局医療従事者へのEBM教育の取り組み報告(その2)

今井 真穂1, 上田 昌宏2 (1.薬樹(株)薬樹薬局 ライフ溝口店, 2.摂南大学 薬学部 薬学教育学研究室)

【目的】我々は医療従事者を対象にしたEBM教育におけるオンラインでのチーム基盤型学習(TBL)の学習効果の検証を試み、参加者の論文への抵抗感が少なくなる傾向を見出している(第一報)。一方で、対人業務への影響を検討できていないことから、その影響を明らかにするために、新規学習会の受講生を対象にアンケートを用いた意識調査を行った。
【方法】オンラインTBLによるEBM研修会の参加者14名の医療従事者を対象に記名式のWebアンケートを研修会前後に行った。収集した個人情報は匿名化を実施した。アンケートは、参加者属性や医療機関連携における医薬品情報を活用した対人業務に対する意識について5件法で問う内容とした。プレ、ポスト両方に回答したものを有効回答とし、Wilcoxonの符号順位検定を行った(有意水準0.05)。
【結果】有効回答は10名であった。医薬品情報を活用する設問について「医療機関連携にEBMの5Stepsは役立つ」(プレ平均値3.6, ポスト平均値4.8, p値0.018)、「医薬品情報の活用は楽しい」(3.5, 4.4, 0.040)、「医薬品情報活用の自信」 (2.9, 3.7, 0.015)、「業務の中で医薬品情報の活用を積極的に行う」 (3.9, 4.4, 0.037)であった。対人業務に直結するような設問について「服薬情報提供書作成の自信」(2.8, 3.1, 0.223)、「減薬提案の自信」(2.3, 2.7, 0.072)であった。
【考察】参加者は受講後に「医療機関連携にEBMの5stepsは役立つ」と感じており、EBM研修会の学習効果は得られたと考えられる。意識調査について、医薬品情報の活用に楽しさを見出し、自信をもつといった前向きな変化があり第一報に類似する結果となった。一方で、服薬情報提供書作成や減薬提案の自信について、増加傾向であるものの有意差はなかった。この要因として、サンプル数が少なく差の検出がしづらいこと、受講終了時の回答であったため具体的な業務に関する内容について想像しづらかったと考えられる。