[AP-6-C] 心不全患者への薬局薬剤師の介入~生活習慣改善とその効果~
【目的】近年、心不全患者数の増加により、再入院の防止が重要な課題となっている。適切な治療に加え、生活習慣の改善が再入院予防に不可欠であるが、薬局薬剤師が介入した報告は少ない。そこで本研究では、心不全患者の生活習慣に対する認識を調査し、薬局薬剤師の個別指導がこれらの認識に与える影響を検討した。
【方法】2023年11月から2024年1月に北摂調剤薬局6店舗に来局した心不全患者49名を対象とし、生活習慣に関する聞き取り調査を実施した。調査項目は、血圧測定、体重測定、感染症対策、運動習慣、塩分制限、服薬コンプライアンス、飲酒習慣、喫煙習慣とし、各項目の遵守状況は、「良好」「やや良好」「不良」の3段階に設定した。初回調査で遵守状況が「やや良好」「不良」の場合は、心不全手帳を用いて個別指導を行った。その後、初回と同様の聞き取りを実施し、その変化をマクネマー検定で解析した。さらに、初回調査の結果を性別、年齢、NYHA心機能分類別に分類し、カイ二乗検定を用いて差異を解析した。
【結果】初回調査における各項目で「良好」と回答した患者の割合は、服薬コンプライアンス96%、喫煙習慣90%、感染症対策82%、飲酒習慣71%、塩分制限59%、血圧測定53%、体重測定47%、運動習慣24%であった。個別指導実施後、2回目で「良好」と回答した患者は感染症対策の項目で12%増加し、薬剤師の介入により有意に変化した(p<0.01)。初回調査の各項目の性別による比較では、血圧測定で男性が女性よりも、また、飲酒習慣で女性が男性よりも有意に遵守していた(p<0.05)。年齢比較とNYHA心機能分類別で差異はなかった。
【考察】本研究から、薬局薬剤師の介入が心不全患者の生活習慣の改善に役割を果たすことが示唆される。今後は遵守率が低かった生活習慣に重点を置き、個別指導を継続していく予定である。
【方法】2023年11月から2024年1月に北摂調剤薬局6店舗に来局した心不全患者49名を対象とし、生活習慣に関する聞き取り調査を実施した。調査項目は、血圧測定、体重測定、感染症対策、運動習慣、塩分制限、服薬コンプライアンス、飲酒習慣、喫煙習慣とし、各項目の遵守状況は、「良好」「やや良好」「不良」の3段階に設定した。初回調査で遵守状況が「やや良好」「不良」の場合は、心不全手帳を用いて個別指導を行った。その後、初回と同様の聞き取りを実施し、その変化をマクネマー検定で解析した。さらに、初回調査の結果を性別、年齢、NYHA心機能分類別に分類し、カイ二乗検定を用いて差異を解析した。
【結果】初回調査における各項目で「良好」と回答した患者の割合は、服薬コンプライアンス96%、喫煙習慣90%、感染症対策82%、飲酒習慣71%、塩分制限59%、血圧測定53%、体重測定47%、運動習慣24%であった。個別指導実施後、2回目で「良好」と回答した患者は感染症対策の項目で12%増加し、薬剤師の介入により有意に変化した(p<0.01)。初回調査の各項目の性別による比較では、血圧測定で男性が女性よりも、また、飲酒習慣で女性が男性よりも有意に遵守していた(p<0.05)。年齢比較とNYHA心機能分類別で差異はなかった。
【考察】本研究から、薬局薬剤師の介入が心不全患者の生活習慣の改善に役割を果たすことが示唆される。今後は遵守率が低かった生活習慣に重点を置き、個別指導を継続していく予定である。