第18回日本薬局学会学術総会

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優秀演題候補セッション(ポスター)

優秀演題候補セッション(ポスター)

Sun. Nov 3, 2024 1:00 PM - 3:20 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[AP-7-A] マイナ保険証の普及に向けた機能の患者認知度と利活用意向に関する調査

臼井 孝1, 樋口 由美1, 大坊 拓1, 星野 圭司1, 中野 春恵1, 神原 千尋1, 今井 智規1, 大西 絢子1, 横山 雄二1, 小林 亮介1, 菊池 千草2 (1.(株)フロンティア, 2.昭和薬科大学)

【目的】マイナンバーカードの健康保険証(マイナ保険証)活用は、より良い服薬指導の提供につながる。しかし、保険薬局でマイナ保険証を利用した割合は2023年7月時点で2.2%である。マイナ保険証の利用率を上げることは重要な課題であるが、どのような対策が有用であるか明らかではない。そこで、患者のマイナ保険証の機能の認知や利活用意向を調査し、マイナ保険証普及に向けた対策を検討することを目的として調査を行った。
【方法】2023年12月にフロンティア薬局9店舗に来局した18歳以上の全ての患者を対象にアンケートを実施し、マイナ保険証利用の有無と機能の認知の関係をカイ二乗検定にて統計解析を行った。(滋賀県薬剤師会学術倫理審査委員会承認番号:25-23-001)。
【結果】対象者は446名で、そのうちアンケート回答者は240名、マイナ保険証の利用者は43名であった。統計解析の結果、「薬剤師がお薬の重複防止などに活用すること」(1)「事前申請がなくても医療費の限度額を超える支払いをしなくてもよいこと」(2)の認知の割合が、利用者は非利用者と比較し有意に高かった。さらに、利活用意向を調査した結果、「引っ越しなどに伴うマイナ保険証の継続利用」(3)「患者本人によるマイナポータルの活用」(4)「医療費控除の手続き簡素化」(5)という機能に関して、使用してみたい患者が多く見られた。また、マイナ保険証利用者の情報の入手先は非利用者と比較し病院や薬局である割合が有意に高かった。
【考察】(1)(2)の広報がマイナ保険証利用率向上につながる可能性が示唆された。さらに、(3)~(5)の広報がマイナ保険証普及につながる可能性が示唆された。また、マイナ保険証利用者の情報の入手先は非利用者と比較し病院や薬局である割合が有意に高かったことから、薬局からの情報発信がマイナ保険証利用率向上につながる可能性が示唆された。