第18回日本薬局学会学術総会

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優秀演題候補セッション(ポスター)

優秀演題候補セッション(ポスター)

Sun. Nov 3, 2024 1:00 PM - 3:20 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[AP-9-C] 退院時連携の重要性 病院薬剤師と保険薬局薬剤師への意識調査

斎藤 優子1, 飯田 真之2, 辻井 聡容3 (1.ココカラファインヘルスケア(株)フタツカ薬局ガーデンシティ舞多聞, 2.神戸大学医学部附属病院, 3.公立豊岡病院組合立豊岡病院)

【目的】退院時の情報提供に関する薬薬連携においては、様々な取り組みがなされているが、病院薬剤師(以下、病院群)、保険薬局薬剤師(以下、薬局群)の各々が必要と思う情報の重要度については、調査報告されていない。今回、退院時にお互いに必要とする情報提供ができるようになることを目的として、退院時情報提供に関するアンケート調査を実施した。
【方法】2024年3月24日に兵庫かんわケアサークルが開催した研修会の参加者、病院群及び薬局群を対象とし、研修開始直後にアンケート用紙を用いて無記名の回答を得た。質問の項目として、退院時に必要と思う情報の重要度(5段階リッカートスケール)、情報提供実施の有無を調査した。
【結果】対象者の内訳は病院群27名、薬局群15名で、アンケートへの回答率は100%であった。連携に重要と思う情報は、病院群で「入院中の副作用」、「入院中の処方内容」、「疼痛コントロールの状況」の順に多く、薬局群では「入院中の副作用」、「入院中の処方内容」、「嚥下能力」と「オピオイドスイッチの有無や理由」の順に多かった。各項目の重要度平均値を薬局群と病院群で比較したところ、病院群において「入院中の検査値」が有意に高かった。また各項目について、重要度5の割合を群間比較したところ、薬局群で「介護保険の取得状況・介護度」が有意に高かった。
【考察】入院中の検査の重要度において病院群と薬局群間でギャップがあることが示唆された。これは、病院ではカルテなどで日常的に検査値を目にしているが、薬局では処方箋等に添付されていなければ目にしないためと考えられる。退院時に病院から検査値情報を得、活用することで今後の治療方針に対し提案ができるなど、途切れのない療養が可能となると考えられる。