[EUS1-2] 居宅療養管理指導業務がポリファーマシー高齢患者の医薬品適正使用に与える影響
近年、高齢者におけるポリファーマシーは、医薬品の適正使用と健康管理において注目されている。ポリファーマシーは薬物相互作用や副作用のリスクを増大させるだけでなく、患者のQOL(生活の質)を低下させる可能性が議論されている。薬局の在宅訪問業務がポリファーマシーの医薬品適正使用にどのように貢献しているかを科学的に評価することは、地域医療におけるこれからの薬剤師の役割を考える上で重要である。
本講演では、J-HOP調査研究委員会が主催した「居宅療養管理指導業務が多剤併用高齢患者の医薬品適正使用に与える影響」の後方視的研究の解析結果を紹介する。この研究目的は、全国の薬局薬剤師の協力のもと、在宅訪問開始後3か月間で発見された医薬品に関する問題(Drug Related Problems, DRPs)とその解決過程を解析することで、居宅療養管理指導業務の効果を評価することである。
評価項目:
1. 「報告患者全体に対するDRPの発見割合」
2. 「DRP発見有無と関連を持つ要因」
3. 「DRPの解決に向けた処方医への提案内容の採択割合」
4. 「DRPの解決に向けた処方医への提案の採択可否と関連を持つ要因の特定」
5. 「DRP対象薬剤の内容」
6. 「発見したDRPの内容および頻度」
各薬局の薬歴をもとに報告された調査票をデータクリーニングした結果、解析可能回答数は181名(報告薬剤師数60名)であった。1薬剤以上のDRPが発見された割合は67%(121/181名)、DRP報告総数は244件であった。また、DRPの解決に向けた処方医への提案内容の採択割合は76.2%であった。興味深い結果として、“処方医との連携頻度が月に1回以下”と比べて“週に1回以上”の方が統計的に有意にDRP発見率の高いことが示唆された。
本研究により薬局の在宅業務における様々なDRPが明らかになり、その解決には薬剤師と処方医の連携が重要であることが示唆された。超高齢社会の進行や医療費の増大に伴い、薬局薬剤師の役割はますます重要性を増している。特に、これからの薬剤師には医療や介護の更なる連携が求められる。薬剤師が在宅医療の現場で患者一人ひとりに寄り添い、適切な薬剤管理と服薬指導を提供することが、地域医療の質の向上に寄与すると考える。本研究結果が、これからの薬局在宅業務において有益な指針となることを期待したい。
本講演では、J-HOP調査研究委員会が主催した「居宅療養管理指導業務が多剤併用高齢患者の医薬品適正使用に与える影響」の後方視的研究の解析結果を紹介する。この研究目的は、全国の薬局薬剤師の協力のもと、在宅訪問開始後3か月間で発見された医薬品に関する問題(Drug Related Problems, DRPs)とその解決過程を解析することで、居宅療養管理指導業務の効果を評価することである。
評価項目:
1. 「報告患者全体に対するDRPの発見割合」
2. 「DRP発見有無と関連を持つ要因」
3. 「DRPの解決に向けた処方医への提案内容の採択割合」
4. 「DRPの解決に向けた処方医への提案の採択可否と関連を持つ要因の特定」
5. 「DRP対象薬剤の内容」
6. 「発見したDRPの内容および頻度」
各薬局の薬歴をもとに報告された調査票をデータクリーニングした結果、解析可能回答数は181名(報告薬剤師数60名)であった。1薬剤以上のDRPが発見された割合は67%(121/181名)、DRP報告総数は244件であった。また、DRPの解決に向けた処方医への提案内容の採択割合は76.2%であった。興味深い結果として、“処方医との連携頻度が月に1回以下”と比べて“週に1回以上”の方が統計的に有意にDRP発見率の高いことが示唆された。
本研究により薬局の在宅業務における様々なDRPが明らかになり、その解決には薬剤師と処方医の連携が重要であることが示唆された。超高齢社会の進行や医療費の増大に伴い、薬局薬剤師の役割はますます重要性を増している。特に、これからの薬剤師には医療や介護の更なる連携が求められる。薬剤師が在宅医療の現場で患者一人ひとりに寄り添い、適切な薬剤管理と服薬指導を提供することが、地域医療の質の向上に寄与すると考える。本研究結果が、これからの薬局在宅業務において有益な指針となることを期待したい。