第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(口演)

一般演題(口演)
薬剤師職能・服薬指導

2024年11月3日(日) 10:40 〜 11:30 第6会場 (4階 416+417)

座長:森 博美(岐阜医療科学大学 薬学部 教授)
副座長:高橋 渉(クオール株式会社 クオールアカデミー・教育研修本部 専門教育部 DIグループ 統括主任)

[O-6-5] 欠品に伴うオセルタミビルリン酸塩ドライシロップからオセルタミビルリン酸塩カプセルの脱カプセルへの処方変更と患児の服薬状況

山崎 裕己1, 巽 清2 (1.サン薬局真菅店, 2.(株)関西メディコ)

【目的】
感染症急拡大など様々な要因で医薬品の出荷調整が続いている昨今。抗インフルエンザ薬のオセルタミビルリン酸塩ドライシロップも大きな影響を受けている。欠品に伴いオセルタミビルリン酸塩カプセルを脱カプセルにて対応し投薬後にフォローアップも実施。服薬状況や服薬後の体調変化を確認し、代替え薬として臨床的に有効なのか調査した。
【方法】
2023年12月よりオセルタミビルリン酸塩ドライシロップからオセルタミビルリン酸塩カプセルを脱カプセルし乳糖を加え自家製のオセルタミビル3%へ変更・対応した症例を抽出。フォローアップした内容を振り返り、服薬状況・服薬後の体調変化を症例毎に整理した。
【結果】
全体で61名に投薬。フォローアップを実施出来た症例は21名。服薬良好な患児は28.6%。嗜好品と混ぜるなど工夫・アドバイスする事で服薬改善した患児が47.6%。服薬不良な患児は23.8%であった。またフォローアップした21名全てで重症化する事無く良好な経過を辿っていった。患児の家族からは「問題なく服用出来た」「嫌々飲んだりアイスクリームと一緒に食べさせた」「何をしてもダメで飲んでくれなかった」など様々な意見が挙がった。
【考察】
オセルタミビルリン酸塩カプセルを脱カプセルした薬剤を服用する事で良好な経過を辿り目立った副作用も発現しなかった。その事から代替え薬として臨床的に一定の効果があると考察する。但し患児一人一人で味の感じ方も違っており「しっかり服用出来ているか?」「体調変化はないか?」など投薬後のフォローまでが処方変更した薬剤師側の責任だとも実感。また服用出来なかった事で症状回復までに要した時間にどのくらいの差が生じるのか今後調査継続する事で薬剤の有用性をより調べる必要があるとも感じた。