第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(口演)

一般演題(口演)
薬剤師職能

Sat. Nov 2, 2024 2:10 PM - 3:00 PM 第7会場 (4階 414+415)

座長:緒方 直美(さくら薬局グループ クラフト株式会社 教育研修部 専門薬剤師・DI課 課長)
副座長:尾上 洋(株式会社ファーマシィ 学術支援部 部長)

[O-7-1] 医師と連携した嚥下機能低下患者の早期発見のための取り組みとその評価

佃 主税1, 山崎 美佳2, 西脇 広裕3, 伊藤 正博4, 小山 琢司5, 行友 啓悟6 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 安来店, 2.島根大学前店, 3.安来社日店, 4.東出雲店, 5.北堀店, 6.総合メディカル(株))

【目的】高齢化が進む日本の死因第3位は肺炎であり、肺炎で入院した患者の6割は誤嚥性肺炎との報告もある。誤嚥性肺炎は、地域の多職種による連携が必要であり、高齢患者の嚥下機能維持のために保険薬局薬剤師ができる介入方法について検討することは極めて重要である。そこで、チェックシートを用いた高齢患者の嚥下機能評価を実施し、嚥下機能低下が疑われる患者については自覚症状の聴き取りや服薬支援を行うとともに、医師への情報提供を行うこととした。今回、取り組みの成果とその有用性について評価したので報告する。
【方法】2023年4月1日から2023年5月31日の間、島根県そうごう薬局5薬局に来局した65歳以上の患者を対象に、「摂食嚥下障害質問シート」を用いて嚥下機能評価を行った。質問は15項目で、当てはまる項目1つを1点とした合計が、4点以上(オーラルフレイル疑い)、8 点以上(摂食嚥下障害疑い)とされ、今回は4点以上の患者に対し、服用薬剤、現病歴、歯科治療歴等の情報を加え、医師へ情報提供を行った。
【結果】嚥下機能評価を行った患者は118名であった。女性86名、男性32名であった。8点以上は10名(8.5%)、4点以上8点未満は30名(25.4%)、4点未満は78名であった。医師へ情報提供することにより、口渇の相談を受け血液検査を実施した患者や、薬剤による副作用の疑いで処方変更を行った患者など、早期の対応に繋がった事例も複数確認された。
【考察】今回、対象患者のうち嚥下機能の低下が疑われる患者が34%もいたことなど、これまでの患者応対だけでは分からなかった患者の嚥下状態を把握することができたことから、潜在的に嚥下機能低下を感じている患者は少なくないと考えられる。また、医師へ情報提供を行うことで、早期からオーラルフレイル対策が開始できるなど、医師と連携した誤嚥性肺炎予防へ繋がる知見を得ることができた。