第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(口演)

一般演題(口演)
薬局機能・IT化・薬歴管理

Sat. Nov 2, 2024 3:10 PM - 4:00 PM 第7会場 (4階 414+415)

座長:西村 佳子(総合メディカル株式会社 学術情報部)
副座長:風間 卓巌(株式会社アイセイ薬局 薬局営業推進部 課長)

[O-7-6] 薬局薬剤師によるオンライン資格確認の活用状況

佐々木 快1, 伊藤 将2, 市ノ渡 真史2, 長谷川 佳孝2, 月岡 良太2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アインファーマシーズ アイン薬局 北大店, 2.(株)アインホールディングス)

【目的】2021年10月に導入されたオンライン資格確認(以下、オン資)により、薬局薬剤師は薬剤情報や診療情報、特定健診結果等を把握できるようになった。そこで本研究では、オン資の利用に関して薬局薬剤師が感じる課題や利点、オン資を活用した事例(以下、活用事例)を調査し、薬局薬剤師がオン資を活用することの有用性を考察した。
【方法】アイングループに所属する保険薬局の薬局薬剤師を対象に社内イントラネットを利用したアンケートを実施し(調査期間:2024年3月8日~4月5日)、オン資に関する課題や利点、活用事例を調査した。オン資に関する課題は「薬剤情報等のタイムラグ」「システム操作に関する負担」等の5項目から、利点は「院内処方薬の把握」「特定健診結果の把握による服薬指導の充実化」等の5項目から複数選択可能な形式で回答を得た。活用事例は自由記載とし、その内容を分析した。(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0230)。
【結果】308名の有効回答のうち、264名(85.7%)がオン資を利用した患者情報の取得経験を有した。オン資に関する課題では5項目の回答率が全て50%程度であったのに対し、利点では「院内処方薬の把握」の回答が特に多かった(196件、74.2%)。また、本アンケートより40件の活用事例が得られた。その内容は「重複投与・相互作用の回避」に関するものが最も多く(12件、30%)、オン資を活用することにより院内処方薬や手帳未記載の併用薬を把握できたことが事例の要因であった。
【考察】本研究より、薬局薬剤師がオン資を活用して院内処方薬や手帳未記載の併用薬を含めた患者の服薬情報を一元的に把握することは、重複投与や相互作用の回避等の医薬品適正使用において有用であることが示唆された。今後も薬局薬剤師は積極的にオン資を活用し、安全かつ効果的な薬物療法の実施に貢献することが重要と考える。