第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2024年11月3日(日) 13:50 〜 14:30 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-035-B] かかりつけ薬剤師に患者が期待する対応と実際の対応

岸野 菜央子1, 阿部 麻友子1, 山田 佳奈2, 嘉藤 莉穂3 (1.(株)なの花東日本 なの花薬局梅島店, 2.大島店, 3.虎ノ門店)


【目的】内閣府の調査でかかりつけ薬剤師・薬局を決めている患者は約8%で、決めていない人は決める利点が分からないという報告がある。本研究では、かかりつけ薬剤師契約時に、薬剤師がかかりつけを必要と判断した理由(以下、契約理由)と契約後の薬剤師の対応(以下、契約後の対応)、患者が期待する対応(以下、患者希望)について調査を行い、患者が求めるかかりつけ薬剤師としての役割を明らかにすることを目的とした。
【方法】2022年12月23日~2023年1月20日に、研究者が所属するブロック内の4年目以上の薬剤師211名を対象に、2020年9月以降にかかりつけ薬剤師契約した患者(35歳未満/35-64歳/65歳以上)に関する無記名式webアンケートを実施した。内容は、契約理由・契約後の対応・患者希望について複数選択、自由記載混合とし全年代・年代別に分析した。
【結果】回収率は約28%で、患者の年代別内訳は35歳未満5名、35-64歳10名、65歳以上44名だった。契約理由及び契約後の対応は、全年代集計で薬の一元的管理(それぞれ26%、20%)・丁寧な説明(19%、19%)・相互作用チェック(15%、17%)の順で多かった。患者希望は全年代集計で前述と一致したが(26%、21%、19%)、年代別では35歳未満および35-64歳で相互作用チェック(27%、29%)、65歳以上で一元的管理(28%)が最多だった。
【考察】患者希望と契約前後の薬剤師対応に大きな相違は見られなかった。その為、上位を占めた薬の一元的管理や丁寧な説明、相互作用のチェックは患者の需要に対応しており、これらは患者が期待するかかりつけ薬剤師の役割の一つであると考えられる。また、年代別で求められている内容が異なることがわかり、かかりつけ薬剤師として患者に貢献するために、年代別の需要に応じた対応をすることも必要であると言える。