第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:50 PM - 2:30 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-041-B] 外来がん化学療法にて大腸がんステージ4患者へのおこりうる有害事象のフォローアップと処方提案事例

野崎 翔太郎 ((株)マツモトキヨシ 薬局マツモトキヨシ本郷台駅前店)

【目的】
外来がん化学療法(以下ケモ)では、治療に対しての評価や有害事象(以下AE)の早期発見、患者のQOL維持・向上のため薬局薬剤師の介入が必要である。本事例では、病院薬剤師での経験を活かし、大腸がんステージ4患者へのAE・フォローアップ、処方提案事例を紹介する。
【事例】
70歳代男性 血便が継続したため受診し、大腸がんステージ4と診断。X年12月入院、mFOLFOX6療法が開始され、翌年1月、外来にてmFOLFOX6(+BEV)療法が実施されるも血便の継続で、貧血Grade1(以下Gr)のため、BEVの外来投与はなかった。(Grは、CTCAE v5.0 JCOG)
2コース目より外来となり、奥様が初来局。今後の治療経過や自宅でのAEを心配された為、今後の治療方針、可能性のあるAEやその対策を指導した。2コース目Day8に電話フォローアップ。食欲不振Gr1を聴取。栄養指導を実施し、トレーシングレポート(以下TR)にて報告。栄養指導後、食欲不振は改善傾向、またCTの結果により腫瘍が縮小したと聴取し、部分奏功(PR)であった。(RECIST v1.1日本語訳JCOG版)
9コース目Day1、食欲不振Gr2が出現。ケモ中止となり体重減少もあったため、がん悪液質の可能性を考えTRにてエドルミズ®錠50mgを処方提案した。医師は了承したもののCTにて進行(PD)であり患者は心因的にアドヒアランスが低下し、処方を拒否。現在は、食欲不振の改善、ケモの再開、アドヒアランス向上に向けてフォローアップしている。
【考察】
本事例では、レジメンに沿った服薬・AEのフォローアップ、処方提案等の支援はできたと考える。しかし、患者のQOL維持・向上やアドヒアランスを向上させる為には、患者・家族に寄り添い、ニーズに対する支援だけでなく、ケモについての研鑽を続けることが重要である。今後も薬局薬剤師として質の高い医療を提供できるように行動していきたい。