第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2024年11月3日(日) 13:50 〜 14:30 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-053-B] 緑内障患者におけるコソプト®配合点眼液の製剤変更による副作用の検討

高橋 健太, 田村 翔太 (ディブロス(有))

【目的】緑内障治療は眼圧降下が唯一のエビデンスを有し、点眼薬治療が第1選択となる。そのため、患者の点眼コンプライアンスを向上させることが重要である。しかし実臨床では、副作用がコンプライアンスに影響を及ぼすことをしばし経験する。緑内障治療薬のコソプト®配合点眼液はユニットドーズ(UD)製剤とボトル製剤の2種類があり、特にUD製剤は防腐剤が含まれていないため、比較的に副作用のリスクは低い。その反面、手技の煩雑さや薬価の高さが治療を継続するための懸念点である。このように製剤が複数ある薬剤での副作用検討は、治療選択を考えていく上で有意義となる。そこで本研究はコソプト®ミニ配合点眼液使用の緑内障患者において、コソプト®配合点眼液への変更による副作用を検討した。
【方法】小野眼科クリニックに通院中で、コソプト®ミニ配合点眼液による治療を行っていて、コソプト®配合点眼液へ変更後に本研究の参加に同意を得られた患者を対象とした。調査項目としては副作用についてアンケート調査を行い、眼圧の変動についてカルテ確認を行った。本研究は静岡県薬剤師会研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】対象患者は14名28眼(男性6名、女性8名)、年齢は70.5±13.5歳、コソプト®ミニ使用期間は29.9±16.5ヶ月であった。変更後に副作用を有する患者は6名(刺激感:4名、痒み:2名、霞み:1名)であった。眼圧は変更前12.9±2.1mmHg から変更後12.5±2.5mmHgであり統計学的な有意差は認められなかった。
【考察】コソプト®ミニ配合点眼液からコソプト®配合点眼液への変更後に添加物由来と思われる副作用が一定数見られた。しかし、それに伴う治療の中断・変更なく、また眼圧の変動が見られなかったため、治療選択の一助となる可能性が示唆された。今後も研究を継続していくので、結果を精査していく予定である。
【キーワード】緑内障、コソプト®配合点眼液、副作用、点眼コンプライアンス、眼圧