第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-057-C] 保険薬局来局患者の自宅での薬の管理方法と服薬状況の調査~個別対応の最適化に向けて~

高橋 真理子1, 杉本 和佳子1, 添田 元子1, 田村 和久1, 北代 玲子1, 菊池 郁哉1, 原 和夫1, 安達 禎之2 (1.(株)わかば, 2.東京薬科大学 免疫学教室)

【目的】服薬情報は一般的に薬剤師が患者に直接口頭で聞き取り薬歴に記録しているが、実際の臨床において患者の自宅での薬の管理方法のヒアリングは行われているが、研究として報告されている例は少ない。本研究は薬歴の記載項目と来局患者への調査の結果から、自宅での薬の管理方法と服薬の関連性を検証し、患者に最適な服用方法の提案に繋げる事を目的とする。また、薬袋の重要性を説明するきっかけにもしていく。
【方法】2024年3月16日~2024年5月4日に(株)わかばの28薬局に来局した、本人が薬を管理している20歳以上の患者を対象とし、服薬指導の際に患者に薬の管理方法と生活環境、薬袋等に関するヒアリング調査を行い、アセスメント内容を電子薬歴内に保存した。データは匿名化して回収し解析を行った(人医D-2023-031)。
【結果】収集した調査データの有効件数は527件であった。内服薬をすべて薬袋に入れたまま保管している患者は281名(53.3%)、そのうち「薬の用法は覚えているので確認していない」と回答した患者は117名(41.6%)であった。また薬の保管場所について、複数箇所に分けて保管している患者よりも1箇所にまとめて保管している患者が多かった。食事状況と服薬状況の関連性を分析すると、朝食を欠食した際に薬を飲み忘れることが多かった。
【考察】調査の結果、患者によって薬の保管場所や保管方法は様々であり、自宅では薬袋に入れて保管しているが職場では薬袋から取出して管理しているなど、就業状況や食事場所によっても多岐に渡っており研究計画時の予想と一致している。飲み忘れの要因も分析したところ一定の傾向は見られず様々な要因が存在することが判明したことから、通説に基づいて指導を行うのではなく、ヒアリング結果をもとに最適な服用・管理方法の提案を行うことが重要であると考える。これらの結果は各店舗に蓄積し調査内容の精査を行い、より個々の患者に適用した服薬指導に繋げていく。