[P-071-B] 医薬品副作用報告データベースを用いた横紋筋融解症の解析
【目的】薬剤性の横紋筋融解症は、急性腎不全などの合併症の発現が懸念され、これを早期発見、早期対応することは、重篤化回避において重要である。そこで、薬局薬剤師が発現に関連する要因や好発時期等の特徴を把握すべく、医薬品副作用報告(JADER)データベースを利用して、薬剤による横紋筋融解症の発現傾向を解析した。
【方法】2004年4月から2023年3月にJADERデータベースに登録された横紋筋融解症の被疑薬のうち、報告オッズ比(以下、ROR)が大きくかつFisher正確確率検定のp値が小さい薬剤を「関連性の高い薬剤」として選定した。これらの薬剤について、発現傾向の年齢差を評価すべく70歳未満に対する70歳以上の相対ROR(rROR)を算出した。rRORの95%信頼区間下限値が1を上回る場合、高齢者特有のシグナルありと判定した。また、横紋筋融解症発現までの日数の分布から、ワイブル分布形状パラメータを用いて発現パターンを推定した(承認番号:AHD-0245)。
【結果】「関連性の高い薬剤」として、ピタバスタチン(PVT)やフルバスタチン(FVT)等のスタチン系、ベザフィブラート(BF)やフェノフィブラート(FF)等のフィブラート系の他、トラベクテジン(TBD)、プロポフォール(PROP)などが確認された。また、PVT、FVT、BF、およびFFでは高齢者特有のシグナルが検出された。さらに、TBDおよびPROPは、横紋筋融解症の発現リスクが一定である「偶発故障型」と推定されたものの、それ以外の薬剤は、投与開始初期の発現リスクが高い「初期故障型」と推定された。
【考察】一部の薬剤では、高齢患者の生理機能低下等により横紋筋融解症の発現リスクが増加する可能性が考えられた。また、多くの薬剤において開始初期の発現リスクが高い可能性が示唆されたことから、薬局薬剤師は患者の生理機能の低下等に注意を払い、投与開始早期のフォローアップを実施することが横紋筋融解症の早期発見において重要と考える。
【方法】2004年4月から2023年3月にJADERデータベースに登録された横紋筋融解症の被疑薬のうち、報告オッズ比(以下、ROR)が大きくかつFisher正確確率検定のp値が小さい薬剤を「関連性の高い薬剤」として選定した。これらの薬剤について、発現傾向の年齢差を評価すべく70歳未満に対する70歳以上の相対ROR(rROR)を算出した。rRORの95%信頼区間下限値が1を上回る場合、高齢者特有のシグナルありと判定した。また、横紋筋融解症発現までの日数の分布から、ワイブル分布形状パラメータを用いて発現パターンを推定した(承認番号:AHD-0245)。
【結果】「関連性の高い薬剤」として、ピタバスタチン(PVT)やフルバスタチン(FVT)等のスタチン系、ベザフィブラート(BF)やフェノフィブラート(FF)等のフィブラート系の他、トラベクテジン(TBD)、プロポフォール(PROP)などが確認された。また、PVT、FVT、BF、およびFFでは高齢者特有のシグナルが検出された。さらに、TBDおよびPROPは、横紋筋融解症の発現リスクが一定である「偶発故障型」と推定されたものの、それ以外の薬剤は、投与開始初期の発現リスクが高い「初期故障型」と推定された。
【考察】一部の薬剤では、高齢患者の生理機能低下等により横紋筋融解症の発現リスクが増加する可能性が考えられた。また、多くの薬剤において開始初期の発現リスクが高い可能性が示唆されたことから、薬局薬剤師は患者の生理機能の低下等に注意を払い、投与開始早期のフォローアップを実施することが横紋筋融解症の早期発見において重要と考える。