[P-090-C] 保険薬局における薬剤耐性(Antimicrobial Resistance:AMR)対策に関わる啓発活動が一般市民へ与えた影響の調査研究
【目的】AMRの問題は国際的な課題となっている. 当薬局は2020年よりAMR臨床リファレンスセンターの啓発活動に参加. 2023年はこれまでの当薬局の啓発活動が一般市民へ与えた影響を調査した.
【方法】15歳以上の来局者へのアンケートより, 当薬局の日頃のAMR対策啓発活動の効果を, ポスター掲示, AMR対策強化月間の啓発資材配布, 抗菌薬処方時の服薬指導の視点で検証した.「ウイルスに抗菌薬は効きません」と記載のポスターは通年で店舗内に掲示.「抗菌薬はウイルスに効かない」「風邪の原因はウイルス」「抗菌薬を正しく使わないと薬剤耐性菌が増える」旨を記載の啓発資材は, 2023年11月に97部を抗菌薬の服薬指導時に手渡しで配布. また当薬局では、味や香りが服薬コンプライアンスに影響しがちな小児の服薬指導時に「指示された期間飲み切ること」を伝えフォローアップを心がけている1). アンケートは, 2024年4月1~30日の間, ポスターを掲示した状態で実施. 結果を集計し, ポスターの認知群と非認知群, 15歳未満の子どもとの同居群と非同居群, 初来局群と継続来局群について2群に分け, クロス集計ではFisherの正確検定を行った.
【結果】有効回答数は222件. ポスターの認知度は23%.「Q1. 抗菌薬はウイルスをやっつける」の正答率は28%で, ポスター認知群で誤答率が有意に低かった. 「Q2. 抗菌薬は風邪に効く」の正答率は41%でポスター認知群で正答率が有意に高かった. 「Q3. 抗菌薬は治ったら早くやめるほうが良い」の正答率は42%で15歳未満の子どもとの同居群で有意に高く, 薬局への継続来局群で正答率が高い傾向がみられた.
【考察】来局時にポスターに気づく割合は低いものの啓発効果は期待できること, 日頃の服薬指導が15歳未満の子の家族に「抗菌薬は指示された期間飲み切ること」を浸透させる可能性を確認した.
<文献>川名三知代:子どもの処方箋が来たときの薬局業務が120%わかる本, 東京, じほう, 2021, 873-879.
【方法】15歳以上の来局者へのアンケートより, 当薬局の日頃のAMR対策啓発活動の効果を, ポスター掲示, AMR対策強化月間の啓発資材配布, 抗菌薬処方時の服薬指導の視点で検証した.「ウイルスに抗菌薬は効きません」と記載のポスターは通年で店舗内に掲示.「抗菌薬はウイルスに効かない」「風邪の原因はウイルス」「抗菌薬を正しく使わないと薬剤耐性菌が増える」旨を記載の啓発資材は, 2023年11月に97部を抗菌薬の服薬指導時に手渡しで配布. また当薬局では、味や香りが服薬コンプライアンスに影響しがちな小児の服薬指導時に「指示された期間飲み切ること」を伝えフォローアップを心がけている1). アンケートは, 2024年4月1~30日の間, ポスターを掲示した状態で実施. 結果を集計し, ポスターの認知群と非認知群, 15歳未満の子どもとの同居群と非同居群, 初来局群と継続来局群について2群に分け, クロス集計ではFisherの正確検定を行った.
【結果】有効回答数は222件. ポスターの認知度は23%.「Q1. 抗菌薬はウイルスをやっつける」の正答率は28%で, ポスター認知群で誤答率が有意に低かった. 「Q2. 抗菌薬は風邪に効く」の正答率は41%でポスター認知群で正答率が有意に高かった. 「Q3. 抗菌薬は治ったら早くやめるほうが良い」の正答率は42%で15歳未満の子どもとの同居群で有意に高く, 薬局への継続来局群で正答率が高い傾向がみられた.
【考察】来局時にポスターに気づく割合は低いものの啓発効果は期待できること, 日頃の服薬指導が15歳未満の子の家族に「抗菌薬は指示された期間飲み切ること」を浸透させる可能性を確認した.
<文献>川名三知代:子どもの処方箋が来たときの薬局業務が120%わかる本, 東京, じほう, 2021, 873-879.