第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:00 PM - 1:40 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-139-A] 薬局管理栄養士による栄養相談実施により数値改善及び減薬に至った症例紹介

内田 知里, 佐藤 夢奈, 関根 結女 ((株)鈴木薬局)

【背景・目的】
「健康日本21」(第三次)では、各人の健康課題が多様化したことを踏まえ、「誰一人取り残さない健康づくりの推進」と生活習慣の改善を含め、個人の行動と健康状態の改善を促す必要があることから、「より実行性をもつ取組の推進」に重点を置くとされている。地域住民にとって身近な薬局においては「薬物治療」のみならず、食事・運動などの「生活習慣」についての相談・指導を健康サポートの一環として行うことが求められている。
本症例では、薬局における管理栄養士による食事療法の支援により、臨床数値の改善及び減薬に至った事例について報告する。
【概要・症例】
薬局内で無料栄養相談会を開催。服薬指導時に「HbA1cが高くなってきた、もう少し減らしたい」と話があり相談会を紹介、参加に至った。基礎疾患として糖尿病・高脂血症・高血圧でトラディアンス配合錠BP、ピオグリタゾン錠15mg、タケキャブ錠10mg、グルファスト錠10mg等服用中の70代女性。3日間の食事記録から間食・減塩指導を実施した。
【方法】
問診票とヒアリングより現在の状態や生活習慣を把握。血液検査結果、3日間の食事記録から患者本人と目標設定、行動計画を立案した。20XX年6月初回は対面実施、1か月後に電話にてフォローアップ、同年10月に対面にて最終評価を行った。相談時間は30分程度、内容は処方元医師及び薬剤師に共有した。
【結果】
生活習慣の改善が見られ、介入前HbA1c6.9%→介入後HbA1c6.1%へ改善。グルファスト錠10mg、ピオグリタゾン錠15mgが減薬となった。
【考察】
薬局管理栄養士介入により、患者個人に沿った具体的かつ実行可能な目標設定及び生活習慣の改善が行なわれたことが数値改善、減薬、そして患者のQOL向上に繋がった大きな要因と考えられる。今後の課題として、年齢・服用薬等を考慮した指導の実現に向け医師・薬剤師との連携・情報共有が重要と考える。