[P-158-B] 指導薬剤師の自己評価と不安・悩みに関するアンケート調査~指導薬剤師個々の背景が及ぼす影響について~
【目的】指導薬剤師の薬剤師経験年数、指導薬剤師取得後の年数、指導人数の違いが、実務実習に対する自己評価と不安・悩みに影響を及ぼしているかを調査し、今後の指導薬剤師へのサポ-ト強化に活かすことを目的とした。【方法】2024年5月1日~5月8日の期間において、薬樹(株)の指導薬剤師を対象に、アンケ-ト調査を実施した。調査内容は、上記指導薬剤師の背景に加え、指導力、評価力、コミュニケーション力の自己評価ならびに不安・悩みとした。自己評価は「0できていない~5十分できている」の6段階、不安・悩みは上位3つまでの選択式回答とした。評価法は、薬剤師経験と指導薬剤師取得後の年数は5年刻み、また指導人数は10人刻みでグループ化し、自己評価の平均値と不安・悩みの選択回答数を比較した。【結果】47名の指導薬剤師より回答を得た。薬剤師経験年数は、6~10年、11~15年、16~20年、21~25年、26~30年、31年以上の順に、自己評価の平均値は、4.1、3.1、3.5、3.3、3.6、2.8であり、不安・悩みの選択回答数は2.2、2.3、2.4、2.4、2.1、2.4であった。指導薬剤師取得後の年数は、0~5年、6~10年、11年以上の順に、自己評価の平均値は、3.6、3.2、3.6であり、不安・悩みの選択回答数は2.7、2.3、2.2であった。指導人数は、0~10人、11~20人、21~30人、31~40人、41人以上の順に、自己評価の平均値は、3.2、3.3、3.6、3.4、3.8であり、不安・悩みの選択回答数は2.6、2.5、2.3、2.0、1.9であった。【考察】薬剤師経験年数は、自己評価と不安・悩みに、指導薬剤師取得後の年数は、自己評価に影響を及ぼしていないことが伺えた。一方、指導人数が増えると自己評価が高い値を示すことが多く、指導薬剤師取得後の年数と指導人数は、その数が増えると不安・悩みは減少していくことが示唆された。このことから、指導薬剤師の指導経験を考慮し、主に指導人数の違いに合わせたサポ-ト強化が重要と考える。