第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:50 PM - 2:30 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-161-B] キャラバン・メイト活動を通して地域や多職種との連携を深めた事例

小沢 好貴 ((株)マツモトキヨシ 調剤薬局マツモトキヨシ柏たなか店)

【目的】
超高齢社会を迎えた我が国において認知症の有病者数は増加している。2023年に成立した認知症基本法案で示された通り国民の認知症への理解は重要さを増している。2005年より認知症への理解を深める普及・啓発推進のための取り組みとして認知症サポーターやその養成講座の講師役となるキャラバン・メイトの養成が開始された。2020年より継続してキャラバン・メイト活動を行った結果、地域や多職種との連携が深まった事例があり報告する。
【事例】
2020年6月着任時、キャラバン・メイト資格を有していることからエリアの地域包括支援センターを訪問。同年10月、市内の高等学校にて高校生を対象とした認知症サポーター養成講座(以下、講座)の講師依頼を受け実施。以降、地域住民向け講座の講師も依頼を受けるようになった。特色のある講座にすべく、従来のカリキュラムに加え薬剤師の視点として開発中の治療薬や薬の飲ませ方などを解説。また、地域の目として活動してもらうため防災士と熱中症対策アドバイザーの視点で地域状況に合わせた内容も加えた。活動を行う中で市の地域ケア会議に声をかけてもらえるようになり参加、そこで知り合ったケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーから訪問薬剤管理の相談や紹介を受けるようになった。
【結果】
講座の講師依頼回数11件(依頼元内訳:地域包括支援センターからの依頼7件、市役所からの依頼2件、県からの依頼2件)、訪問薬剤管理指導の紹介17件。
【考察】
キャラバン・メイトの多くが行政職員や介護施設職員である。薬局薬剤師が講座に治療薬や服薬支援、その地域状況を組み込むことで他の職種とは違ったカリキュラムを組み立てることができ、その独自性が継続した依頼に繋がったと考える。また、他の職種から訪問薬剤管理について相談を受ける機会が増加したため、薬局薬剤師がキャラバン・メイト活動に取り組むことで連携強化が期待できる。