[SY10-1] がん医療において薬局および病院薬剤師が共通して有すべきものとは
~入院・外来・在宅 緩和ケアの関わりのポイント~
がんは大変身近な疾患であり、全ての国民に関係があると言っても過言ではなない。がんと診断される確率は非常に高く、男女ともに2人に1人(男性65.5%、女性51.2%)、がんで死亡する確率は、男性で4人に1人(男性25.1%)、女性で6人に1人(女性17.5%)である。しかしながら、その病状や経過は、がん種やステージあるいは併存疾患などによって様々である。さらに、その人が抱える不安や悲しみは、仕事や年齢あるいは家族との関係性などによって全く違ったものとなる。がんに関わる医療者はそのことを十分理解した上で、患者個々に合わせた医療を提供しなければならない。
がん治療を時間経過で分けると、診断期・治療期・終末期となり、そこに関わる医療者も多岐にわたる。医師(内科、外科、緩和ケア、在宅)や看護師(病院、訪問看護)はもとより、薬剤師も薬局、病院、在宅とその療養環境による違いによってもその役割を分担せざるを得ない。加えて、がん、緩和ケア、地域薬学ケアなどの認定薬剤師が、それぞれの専門性を生かして、患者個々の問題に寄り添いながら支援する必要がある。敢えて言うが、その取り組みが継ぎ接ぎのパッチワークになってはいけない。患者が抱える不安は、身体的なものだけに留まらず人間関係や心の問題に加え、死生観に至るまで絶え間なく続く。我々薬剤師は医薬領域の専門家であるがゆえ、その支援は連続的かつ継続的でなければならない。ただ、現実問題として物理的に連携を強化するには少なからず時間を要する。であるなら、今できることは何か。専門家による支援が一つの軸に沿って成されれば、その連続性や継続性は確保できるはずである。そのために薬局薬剤師や病院薬剤師、あるいは在宅薬剤師が共通の知識とがんに関連したプロフェッショナリズムを共有すべきであろう。継ぎ接ぎから基軸の上で機能しあうファーマシューティカルケアを目指し、本シンポジウムで議論を深めたい。
がん治療を時間経過で分けると、診断期・治療期・終末期となり、そこに関わる医療者も多岐にわたる。医師(内科、外科、緩和ケア、在宅)や看護師(病院、訪問看護)はもとより、薬剤師も薬局、病院、在宅とその療養環境による違いによってもその役割を分担せざるを得ない。加えて、がん、緩和ケア、地域薬学ケアなどの認定薬剤師が、それぞれの専門性を生かして、患者個々の問題に寄り添いながら支援する必要がある。敢えて言うが、その取り組みが継ぎ接ぎのパッチワークになってはいけない。患者が抱える不安は、身体的なものだけに留まらず人間関係や心の問題に加え、死生観に至るまで絶え間なく続く。我々薬剤師は医薬領域の専門家であるがゆえ、その支援は連続的かつ継続的でなければならない。ただ、現実問題として物理的に連携を強化するには少なからず時間を要する。であるなら、今できることは何か。専門家による支援が一つの軸に沿って成されれば、その連続性や継続性は確保できるはずである。そのために薬局薬剤師や病院薬剤師、あるいは在宅薬剤師が共通の知識とがんに関連したプロフェッショナリズムを共有すべきであろう。継ぎ接ぎから基軸の上で機能しあうファーマシューティカルケアを目指し、本シンポジウムで議論を深めたい。