[SY10-3] 終末期の患者に寄り添う中で感じること~薬局薬剤師の立場から~
近年、日本のがん薬物治療は入院下から外来治療へとシフトし、がん終末期を在宅で過ごす患者は増加傾向にある。このため、在宅医療は終末期の患者を支える重要な役割を担っており、薬局薬剤師もその一員として地域医療への貢献が期待されている。しかし医療用麻薬を含めた円滑な医薬品の提供体制の整備やマンパワーの確保、在宅での医療用麻薬注射剤の使用に不慣れな医師への処方設計支援等のアドバイスなど、多様なニーズに応えきることのできる薬局は限られており、その実態についても十分には明らかになっていない。
みよの台薬局には医療用麻薬の無菌調製について多数の実績をもつ薬局が複数存在しており、青砥店では1年で約50人の終末期の患者に対応している。終末期において、痛みのコントロールは非常に大切な治療目標であることから、オピオイドの適正使用は欠かせないものであり、薬局薬剤師は処方設計支援から医療用麻薬の無菌調製、投与後のトラブル対応まで様々なことを行っている。我々が独自に行った後ろ向きの実態調査では、医療用麻薬の無菌調製が関わる処方において、3割以上の事例で薬局薬剤師による処方設計支援や処方介入が行われていることが明らかとなった。また、医療用麻薬の無菌調製時に見積もった日数よりも短い期間で次の処方箋が発行されていることも示唆されており、これらのニーズに応えながら、終末期の患者のQOL維持に貢献している。終末期の患者に接する中で、患者は様々な想いをもって日々を懸命に過ごしていることを感じることも多々あり、その想いに寄り添うことにやりがいを感じている。
一方で、在宅医療に切り替わるがん患者は、その多くがBSCとなっている。外来においてがん薬物治療を継続できている患者が在宅医療に切り替わった場合、どのようなことに気を付けて対応していくべきか戸惑うこともある。また、がん治療中に使用されていた抗がん薬の一部は、治療終了後長期間経過してから副作用が発現することが知られている。これらの副作用に対応するためには、新たな知識を学ぶことはもちろん、治療を実施していた医療機関や薬局との情報共有が必須だと考える。
本講演では、実際に終末期の在宅患者に寄り添っている薬局の実態や具体的事例を紹介するとともに、入院から外来、在宅へどのようにがん患者を繋ぐことがベストなのか、共に考えたい。
みよの台薬局には医療用麻薬の無菌調製について多数の実績をもつ薬局が複数存在しており、青砥店では1年で約50人の終末期の患者に対応している。終末期において、痛みのコントロールは非常に大切な治療目標であることから、オピオイドの適正使用は欠かせないものであり、薬局薬剤師は処方設計支援から医療用麻薬の無菌調製、投与後のトラブル対応まで様々なことを行っている。我々が独自に行った後ろ向きの実態調査では、医療用麻薬の無菌調製が関わる処方において、3割以上の事例で薬局薬剤師による処方設計支援や処方介入が行われていることが明らかとなった。また、医療用麻薬の無菌調製時に見積もった日数よりも短い期間で次の処方箋が発行されていることも示唆されており、これらのニーズに応えながら、終末期の患者のQOL維持に貢献している。終末期の患者に接する中で、患者は様々な想いをもって日々を懸命に過ごしていることを感じることも多々あり、その想いに寄り添うことにやりがいを感じている。
一方で、在宅医療に切り替わるがん患者は、その多くがBSCとなっている。外来においてがん薬物治療を継続できている患者が在宅医療に切り替わった場合、どのようなことに気を付けて対応していくべきか戸惑うこともある。また、がん治療中に使用されていた抗がん薬の一部は、治療終了後長期間経過してから副作用が発現することが知られている。これらの副作用に対応するためには、新たな知識を学ぶことはもちろん、治療を実施していた医療機関や薬局との情報共有が必須だと考える。
本講演では、実際に終末期の在宅患者に寄り添っている薬局の実態や具体的事例を紹介するとともに、入院から外来、在宅へどのようにがん患者を繋ぐことがベストなのか、共に考えたい。