第18回日本薬局学会学術総会

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シンポジウム

シンポジウム3
「皆さんに伝えたいこと~これまでの災害と薬剤師の関わりから平時の取り組みまで~」

Sat. Nov 2, 2024 1:50 PM - 3:20 PM 第3会場 (3階 315)

座長兼オーガナイザー:田仲 義弘(ファーマライズ株式会社 専務取締役)

[SY3-1] 薬剤師の災害医療における挑戦

渡邉 暁洋 (兵庫医科大学 危機管理医学講座 特任助教)

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【はじめに】
 薬剤師は、災害医療において薬剤に関する専門知識と技術を活かし、被災者の健康回復に貢献する重要な役割を担っている。災害時の薬剤師の役割を歴史的な視点から振り返りつつ、国際的な活動や国内における取り組み、そして今後の展望について述べる。
【薬剤師災害対応と取り組み】
 薬剤師の災害医療への関与は古く、国内外の災害において薬剤供給や服薬指導などを行ってきた。大規模災害が発生する度に、薬剤師は被災地の医療体制の構築に貢献してきた。国際緊急援助隊医療チームにおける薬剤師の役割は、海外の被災地において、被災地医療体制の構築、医薬品管理、住民への服薬指導、平時からの医薬品管理や携行医薬品選定など幅広い活動を行っている。DMATにおける薬剤師の役割は、登録上調整員となりチームのロジスティックスなどに貢献している。DMATの薬剤師が、被災地医療施設への医薬品供給、避難所における薬剤管理、住民への健康相談などを行っている。また、そのような中、実活動だけでなく、学術的な取り組みを行うこと、研修教育体制を確立し教育の場を作成するために、日本災害医療薬剤師学会の設立と災害支援薬剤師養成研修を実施し災害支援薬剤師の認定も行なっている。さらに、日本災害医学会では、災害薬事委員会の立ち上げ、災害薬事研修コース(PhDLS)の管理運営を行なっており、災害医療認定薬剤師の制度も実施している。
【今後の挑戦】
 災害医療における薬剤師の役割はますます重要となり、被災地域の災害対応能力の向上に必須の職種である。そのためにも、多職種連携を強化して、医師、看護師などと連携し、より効果的な災害医療提供を実施していく。また平時から地域住民への啓発活動として災害時の薬の備えや、避難所での健康管理に関する情報を地域住民に積極的に発信する。災害医療に関する研究の推進として、災害時の薬剤管理、服薬アドヒアランス、薬物療法に関する研究を推進し、防ぎえた災害死や災害関連死の予防に関してエビデンスに基づいた災害医療の実現を目指す。それらを実施するためには人材育成の強化が必須であり、災害医療に対応できる薬剤師の育成を強化し、人材の確保を図る必要がある。
【まとめ】
 薬剤師は、災害医療において不可欠な存在である。今後の災害に備え、多くの薬剤師に災害医療に対する興味を持っていただき、より一層の貢献を目指していく必要がある。