The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

Presentation information

Young Poster Award Flash Talk

[1FT-1] Structural biology (1P-01~1P-25)

Wed. Jun 16, 2021 2:00 PM - 2:30 PM Channel 1

Chairs: Hiroshi Yamaguchi (Kwansei Gakuin Univ.), Terukazu Nogi (Yokohama City Univ.)

[1P-05*] Structural analysis of the multidrug efflux transporter P-glycoprotein by Cryo-EM

Norie Hamaguchi1, Naruhiko Adachi2, Toshio Moriya2, Masato Kawasaki2, Sisi Chen1, Kousuke Inamura1, Satoshi Yasuda1, Toshiya Senda2, Satoshi Ogasawara1, Takeshi Murata1 (1.Dept of Chem, Grad Sch of Sci, Chiba Univ, 2.IMSS, KEK)

P-glycoprotein(P-gp)はABCトランスポーターの一種で、生体内では主に小腸や肝臓、血液脳関門の細胞膜に存在しており、細胞毒性を持つ疎水性化合物を細胞外に排出する働きを担っている。P-gpが輸送する化合物はその分子量などに傾向はあるが、多くの医薬化合物を基質と認識して輸送することが知られている。特にがん細胞においては抗がん剤を細胞外へ排出することで薬剤耐性を付与することが知られており、治療の妨げとなっている。P-gpの基質認識機構を詳細に理解することができれば、P-gpに認識されない医薬化合物の設計が可能となると期待できる。近年、Cryo-EMを用いた単粒子解析によりヒトP-gpと基質・阻害剤それぞれとの複合体構造が報告されており、基質と阻害剤の結合ポケットの違いや阻害機構の大枠が明らかとなった。しかしP-gpがどのように化合物を基質または阻害剤として識別できるのかの詳細な理解には至っていない。そこで本研究では、P-gpと化合物の複合体構造を複数解明し比較することで詳細な基質認識機構の解明を目指す。まず、動物細胞を用いたヒトP-gpの大量発現・精製系を確立し、ATP活性測定などで性状評価をした。また脂質環境を再現するために、簡便なナノディスクへの再構成システムを構築した。現在、新規条件下でCryo-EMを用いた単粒子構造解析を進めている。本ポスター発表では、P-gpの発現・精製・ナノディスク化技術と得られた立体構造について紹介する。