The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

Presentation information

Poster Session

[2P-1] Poster 2 (2P-01ー2P-37)

Thu. Jun 17, 2021 2:45 PM - 4:45 PM Poster 1

[2P-12] Structural changeability and oligomerization of the magnetoreceptor candidate ISCA1

Shigeki Arai1, Rumi Shimizu1, Motoyasu Adachi1, Satoshi Ajito2, Mitsuhiro Hirai3 (1.Institute for Quantum Life Science, QST, 2.JAEA, 3.Graduate School of Science and Technology, Gunma Univ.)

磁覚保有種の網膜には磁気センサー蛋白質クリプトクロム(CRY)が存在する。青色光によってCRY内のFADが励起されると、TrpからFADへ電子が移動してラジカル対を生じる。このラジカル対の電子ペアの電子スピンが磁気情報を検出すると推測される。しかし、CRYの磁気検出反応場や、CRYが受容した情報を神経系に伝達する機構などは未解明である。一方、近年、Fe-Sクラスター輸送蛋白質ISCA1がCRYと複合体化することが明らかになった。その複合体は青色光照射時に弱磁場(~10G)に対して配向する傾向があり、ISCA1はCRYの磁気受容を補助する、もしくは、CRYからの情報伝達を仲介する候補物質の一つに挙げられている。しかし、この説には異論もある。特にISCA1の構造・物性が殆ど未解明であることが大きな課題であった。これまでに我々は、SAXS解析により、カワラバト由来clISCA1が2種類の構造異性体(球状のType-Aと棒状のType-B)を形成することや、Type-Aは4量体以上の柱状の自己会合体を形成し、その会合面に起磁力・帯磁率を向上するFe-Sクラスターを結合しうることなどを明らかにした。一方、Type-Bの会合は2量体が上限であり、且つ、Fe-Sクラスターを解離することも明らかにした。clISCA1は構造依存的に磁気応答性を発揮する可能性が示された。更に本発表では、SAXS解析によって明らかにした磁場印加時のclISCA1の分子挙動などについて報告する予定である。