The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Workshop

[WS9] Synergistic development of protein science and antibody engineering

Fri. Jun 18, 2021 9:45 AM - 12:15 PM Channel 2

Organizers: Terukazu Nogi (Yokohama City Univ.), Tomoya Hino (Tottori Univ.)

11:03 AM - 11:27 AM

[WS9-04(3P-76)] Rapid and efficient generation of T cell receptor-like antibodies using the ISAAC method and its application to cancer immunotherapy

Tatsuhiko Ozawa1, Tomoko Nakamura2, Eiji Kobayashi1, Hiroshi Hamana1, Atsushi Hayashi2, Atsushi Muraguchi1, Hiroyuki Kishi1 (1.Dept. Immunol., Fac. Med., Univ. of Toyama, 2.Dept. Ophthalmol., Fac. Med., Univ. of Toyama)

TCRと同様にペプチド/MHCを特異的に認識するTCR様抗体は、がん細胞に対して高い特異性を持つため、副作用の低いがん免疫療法の提供が期待される。しかしTCR様抗体は、様々な技術が発達した現在においてもその取得が難しく、がん免疫療法への応用は未だ限定的である。
抗体取得に関して我々は、リンパ球チップを用いて、単一細胞レベルで迅速かつ効率的にヒトやウサギ由来抗原特異的抗体産生細胞を検出し、そのリコンビナント抗体を最短1週間程度で構築するシステム、ISAAC法を開発し、今までに計40種類以上の抗原に対する抗体を作製してきた。またISAAC法にブロッキング法を併用することで、エピトープの微細な構造の差異を認識する低頻度の抗体産生細胞を容易にスクリーニングできることを実証した。
今回我々は、取得が困難とされているTCR様抗体を、ISAAC法を用いて容易に作製する方法の開発とその応用を目指した。抗原であるペプチド/MHC複合体のリコンビナントを作製してウサギに免疫し、リンパ組織を単離した。これら細胞を用いて、非抗原ペプチド/MHCでブロッキングしたISAAC法を行い、複数のTCR様抗体を得ることに成功した。現在、CDRグラフト技術を用いたウサギ抗体のヒト化と、ヒト化TCR様抗体のキメラ抗原受容体T細胞の作製を進めている。本演題では、TCR様抗体の効率的な取得法の開発とがん免疫療法への応用を例に、我々が取り組んでいる抗体の迅速作製とその応用について紹介する。