[C-10-1] 金属ドープ アモルファスカーボン薄膜の諸特性
この講演は本会「学術奨励賞受賞候補者」の資格対象です。
キーワード:アモルファスカーボン薄膜、太陽電池、金属ドープ
本研究では、アモルファスカーボン(a-C)薄膜の光導電性向上を目的に、理論上誘電率が無限大である金属をドーピングすることを試みた。誘電率増加による電子-正孔対の分離促進を期待している。RFマグネトロンスパッタ法により、ターゲットとしてグラファイト粉末:金属粉末(AlまたはTi)= 9:1のモル比で混合・プレスしたものを用いてa-C(a-SC)薄膜を作製した。ラマン分光測定において、Tiドープ試料ではTiO₂由来のピークが観察された。Alドープa-SC薄膜ではAl関連ピークは観察されなかったが、ドーピングした金属は自然酸化して膜中に存在していると考えている。電気的特性評価では、両ドープ試料において、ノンドープ試料と比較し抵抗率増加が確認された。自然酸化した金属による影響と考えている。膜厚700nm以下において、Tiドープ試料の光導電性はノンドープ試料より向上した。一方、Alドープ試料はほとんど変化がなかった。Tiの酸化物のTiO₂は比誘電率が80~180と大きく、Alの酸化物のAl₂O₃は8.5と小さい。当初の金属ドープとなっていないが、誘電率増大が光導電性向上に寄与したものと考えている。
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