日本地震学会2019年度秋季大会

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D会場

一般セッション » S02. 地震計測・処理システム

[S02]PM-3

2019年9月16日(月) 16:00 〜 17:15 D会場 (時計台国際交流ホールI)

座長:岩瀬 良一(国立研究開発法人海洋研究開発機構 )、大竹 和生(気象庁気象大学校)

16:00 〜 16:15

[S02-05] WIN ネットワークを用いた映像伝送システムの作成

*大竹 和生1 (1. 気象大学校)

概要
大久保(2018) はWIN パケットに波形ではなく任意のzip ファイルを埋め込んでWIN ネットワークに送信できることを示した。また、大竹(2018)はその応用としてWIN ネットワークを用いたファイル配信システムのプロトタイプを作成した。
本発表では、観測点の監視を念頭に置いた、WIN システムをデータ流通基盤として用いる、安価で実用的な映像伝送システムを作成したことを報告する。

システムの概要
システムの構築にあたっては、既存のWIN ネットワークを活用できることに加え、安価に構築できること、シンプルな構成であることを目指した。
Web カメラにはドン・キホーテの「スマモッチャー」IP001-WH(4298 円)を利用する。また、WIN フォーマットへの変換はRaspberry Pi 3 Model B+ 上で動作するプログラムを記述した。受信側ではffmpeg を用いて動画ファイルをHLS (HTTP Live Streaming) 形式に変換し、Apache ウェブサーバから配信する。なお、このWeb カメラは本来はクラウドでの利用を想定しているものであり、本システムの用途に合うように https://github.com/ant-thomas/zsgx1hacks で公開されているプログラムを導入しておくものとする。

プログラム
Web カメラからの動画はrtsp 形式で取得できる。WIN 3.0.2 をベースとして、この動画をWIN パケット形式にして共有メモリに書き込むプログラムを作成した。ただし通常の設定ではビットレートが不足するので、4 ビット無圧縮(サンプルサイズ情報5)、4095Hz サンプリングで複数チャネルを束ねてデータを送出することにした(リンク集約)。受信側はrecvt の書き込む共有メモリ領域を走査し、ffmpeg コマンドによるフォーマット変換を経て、Apache からHLS 形式で配信する。
本システムを構築したLAN 内の試験環境では、10 秒程度の遅延で正しく配信されることを確認している。

今後の課題
現在のところリンク集約にかかる調整は手作業で行なっている。これを自動で最適な状態にする仕組みを作る必要がある。また、動画は必要な通信帯域が大きくなりがちであるため、解像度の削減やフレームレートの間引きなどを手軽に実施できるインターフェースも必要であろう。このWeb カメラは本来リモートからレンズの方向を変えるなどのコントロールが可能であるが、本システムでは対応していない。

参考文献
大久保(2018): WIN format を利用した地震動波形以外の格納, データ流通ワークショップ発表要旨集.
大竹(2018): WIN ネットワーク上でのファイル交換, 日本地震学会2018 年度秋季大会予稿集, S02-06.