17:15 〜 18:45
[S03P-08] 南海トラフ沿いにおけるGNSS-A観測点の増設(2019年度)
海上保安庁では、南海トラフと日本海溝の陸側海域にGNSS-音響測距結合方式(GNSS-A)を用いた海底地殻変動観測網を展開し、測量船による定期的な観測を実施している。これまでの観測から、これらの海域における海底地殻の動きや、広範囲で未解明であった陸側と海側のプレート間の固着具合の分布を明らかにするなど成果を挙げている。2019年度は新たに紀伊半島の南西沖から南東沖にかけてのトラフ軸沿いに4点の観測点を設置し、観測網を更に拡大する予定である。本発表ではこれらの新規観測点の予定されている位置を提示し、設置する地震学・測地学的意義について議論する。
潮岬沖と熊野灘に現在設置されている観測点(SIOW、KUM1、KUM2、KUM3)は沿岸部に比較的近い海域に分布が偏っており、より沖合のトラフ軸近傍の海域は観測網の整備が進んでいない。そのため、これらのトラフ軸近傍の海域には海底の動きやプレート間の固着具合の分布が未だに明らかにされていない領域が存在する(Yokota et al. 2016)。今年度設置を予定している観測点は既存の観測点より沖合に設置される予定であり、これらの新規観測点を継続的に観測することでトラフ軸近傍の海底の動きやプレート境界浅部の固着具合が明らかになることが期待される。
参考文献:
Yokota, Y., T. Ishikawa, S. Watanabe, T. Tashiro, A. Asada (2016): Seafloor geodetic constraints on interplate coupling of the Nankai Trough megathrust zone, Nature, doi:10.1038/nature17632
潮岬沖と熊野灘に現在設置されている観測点(SIOW、KUM1、KUM2、KUM3)は沿岸部に比較的近い海域に分布が偏っており、より沖合のトラフ軸近傍の海域は観測網の整備が進んでいない。そのため、これらのトラフ軸近傍の海域には海底の動きやプレート間の固着具合の分布が未だに明らかにされていない領域が存在する(Yokota et al. 2016)。今年度設置を予定している観測点は既存の観測点より沖合に設置される予定であり、これらの新規観測点を継続的に観測することでトラフ軸近傍の海底の動きやプレート境界浅部の固着具合が明らかになることが期待される。
参考文献:
Yokota, Y., T. Ishikawa, S. Watanabe, T. Tashiro, A. Asada (2016): Seafloor geodetic constraints on interplate coupling of the Nankai Trough megathrust zone, Nature, doi:10.1038/nature17632