日本地震学会2019年度秋季大会

講演情報

B会場

一般セッション » S06. 地殻構造

[S06]PM-2

2019年9月17日(火) 15:15 〜 17:00 B会場 (国際科学イノベーション棟シンポジウムホール)

座長:石山 達也(東京大学地震研究所)、利根川 貴志(海洋研究開発機構)、小松 正直(岡山大学大学院自然科学研究科)

16:30 〜 16:45

[S06-21] 人工地震探査による南九州横断測線下の速度構造(4)

*宮町 宏樹1、小林 励司1、八木原 寛1、平野 舟一郎1、久保 武史1、海野 直弘1、松島 健2、内田 和也2、宮町 凜太郎2、片尾 浩3、澁谷 拓郎3、三浦 勉3、中川 潤3、米田 格3、為栗 健3、瀧下 恒星3、仲井 一穂3、山下 裕亮3、前田 裕太4、堀川 信一郎4、松廣 健二郎4、奥田 隆4、辻 修平4、十川 直樹4、中東 和夫5、蔵下 英司6、山田 知朗6、安藤 美和子6、田中 伸一6、池澤 賢志6、佐藤 利典7、山本 希8、平原 聡8、中山 貴史8、東 龍介8、鈴木 秀市8、筒井 智樹9、竹井 瑠一9、多田 悠也9、高橋 浩晃10、青山 裕10、大園 真子10、椎名 高裕10、髙田 真秀10、一柳 昌義10、山口 照寛10、伊藤 ちひろ10、薄田 悠樹10、村井 芳夫10、中垣 達也10 (1. 鹿児島大学、2. 九州大学、3. 京都大学、4. 名古屋大学、5. 東京海洋大学、6. 東京大学、7. 千葉大学、8. 東北大学、9. 秋田大学、10. 北海道大学)

[1]人工地震探査概要
南九州の大隅半島〜姶良カルデラ〜薩摩半島〜甑海域を東西に横断する約165 km長の人工地震探査測線を設定し,2017年と2018年に観測を実施した.陸域の測線上に約100m間隔で830点,海域の測線上には1 kmまたは2 km間隔で42点の観測点を展開した.人工震源には,2017年は陸域で9カ所の爆薬震源(各薬量200kg)を,2018年はエアガン(容量6000 cubic inch)を海域測線上で100m(一部の区間では50m)間隔で発震すると共に,陸域では大型バイブレータ4台による多重発震を使用した(JpGU,2019).
[2]走時データと解析手法
 2018年のエアガン震源による走時データは膨大な量であるため,今後,データ整理が終わり次第,データ解析に用いる.今回は,2017年度のP波初動走時データに2018年の観測で得られた新たなP波初動走時データの一部を加え,解析を実施した.解析手法は,これまでと同様に,二次元トモグラフィー法(LTI法(Asakawa and Kawanaka, 1993),SIRT法)である.高密度な観測点配置と高密度な爆薬震源及びエアガン発震を考慮し,トモグラフィー法における各セルサイズを200m×200mとし,測線下の詳細な速度構造(暫定版)の推定を試みた.また,エアガン発震時に曳航したストリーマーケーブルのデータの解析も行った.
[3]解析結果
 ストリーマーケーブルデータの解析により,測線B(桜島の北方海域)では,水平成層を示唆する複数の明瞭な反射面が深さ2km以浅で確認できた.一方,測線H(桜島の南方海域)測線D(甑海域)では,多くの断裂構造が検出された.
 主測線下の速度構造については,データ量が増えたことにより,従来の解析結果よりも,より安定した解が得られる傾向である.発表時に詳細を報告する.