5:15 PM - 6:45 PM
[S15P-05] On the liquefaction site distribution of The 2018 Hokkaido Eastern Iburi Earthquake and the examination of damage rate by recent earthquakes
平成30年北海道胆振東部地震では,最大震度7を観測した厚真町を中心に,太平洋側の苫小牧市や日高町から日本海側の石狩市にかけた広い範囲で震度5弱以上の強い揺れを観測しその多くの地域で液状化が発生した.昨年に本地震による液状化地点の発表は行っているが,データ収集中の暫定的なものであった.本研究では,液状化地点の情報をさらに収集し,本地震による液状化地点を確定させた.また,その液状化地点に基づき,建物被害等の収集した情報から,近年の液状化が発生した地震から求められた液状化発生率との比較・検討を行った.
液状化地点は地震発生後に撮影された国土地理院や株式会社パスコの高解像度航空画像,および,GoogleEarthから公開されている衛星画像から読み取りを行った.噴砂地点を液状化地点としている.また,現地調査等からも液状化地点の情報を収集した.これらのデータに基づき,過去の地震と同様に約250m,約50m,約25mメッシュ単位のデータを作成した.液状化地点数は5301点であり,メッシュ数は順に1102,2982,4915メッシュになる.
液状化は,震源地付近の震度6弱以上の強い揺れがあった厚真町・安平町・むかわ町・苫小牧市等で発生しており,山間部の川沿いにも発生している.また,震源地から離れているが,震度5弱や5強の揺れに見舞われた地域でも発生しており,太平洋側では震源から約70kmの白老町の海岸付近や,日本海側では震源から約80km離れた石狩川河口付近でも液状化が見られた.札幌市も震源からは約50km以上離れているが,液状化被害報道の中心となった清田区里塚だけはなく,ほかの地区でも液状化が起こり建物に被害が発生している.微地形区分別にみると,火山山麓地・ローム台地・谷底低地・後背湿地で数が多く発生していた.火山山麓地での液状化は,ほとんどが札幌市清田区付近である.
液状化発生率に関しては,過去に2011年東北地方太平洋沖地震と2016年熊本地震の液状化のデータより液状化発生率計算式(フラジリティー)を作成している.その結果を今回の平成30年北海道胆振東部地震の液状化発生率と比較すると,特定の微地形でデータ数が少ないことからか,ばらつきが大きくなっている個所もあるが,ほぼ調和的な結果となった.今後は建物被害分布データとの比較・検討を進める予定である.またフラジリティーのさらなる高精度化を目指し水域(河川等)との関係の調査を進めている.
本研究では,平成30年北海道胆振東部地震の液状化地点分布を分析し,過去に検討した液状化発生率計算式(フラジリティー)との比較等を行い,結果の妥当性を検討する予定である.
<謝辞>
解析の一部に関しては,株式会社構造計画研究所の橋本光史氏,神奈川大学の落合務氏にご協力いただいた.建物被害の情報については,札幌市等各自治体より提供いただいた.関係各位に謝意を表します.
<参考文献>
・先名重樹・小澤京子・杉本純也・山田和樹,近年の液状化被害を踏まえた液状化発生率の検討,日本地震学会秋季大会,2018.10
・先名重樹・小澤京子,平成30年北海道胆振東部地震の液状化地点分布とその特徴,日本地震学会秋季大会,2018.10
・先名重樹・小澤京子,近年の液状化被害を踏まえた液状化被害率の検討, JpGU2019,2019.6
液状化地点は地震発生後に撮影された国土地理院や株式会社パスコの高解像度航空画像,および,GoogleEarthから公開されている衛星画像から読み取りを行った.噴砂地点を液状化地点としている.また,現地調査等からも液状化地点の情報を収集した.これらのデータに基づき,過去の地震と同様に約250m,約50m,約25mメッシュ単位のデータを作成した.液状化地点数は5301点であり,メッシュ数は順に1102,2982,4915メッシュになる.
液状化は,震源地付近の震度6弱以上の強い揺れがあった厚真町・安平町・むかわ町・苫小牧市等で発生しており,山間部の川沿いにも発生している.また,震源地から離れているが,震度5弱や5強の揺れに見舞われた地域でも発生しており,太平洋側では震源から約70kmの白老町の海岸付近や,日本海側では震源から約80km離れた石狩川河口付近でも液状化が見られた.札幌市も震源からは約50km以上離れているが,液状化被害報道の中心となった清田区里塚だけはなく,ほかの地区でも液状化が起こり建物に被害が発生している.微地形区分別にみると,火山山麓地・ローム台地・谷底低地・後背湿地で数が多く発生していた.火山山麓地での液状化は,ほとんどが札幌市清田区付近である.
液状化発生率に関しては,過去に2011年東北地方太平洋沖地震と2016年熊本地震の液状化のデータより液状化発生率計算式(フラジリティー)を作成している.その結果を今回の平成30年北海道胆振東部地震の液状化発生率と比較すると,特定の微地形でデータ数が少ないことからか,ばらつきが大きくなっている個所もあるが,ほぼ調和的な結果となった.今後は建物被害分布データとの比較・検討を進める予定である.またフラジリティーのさらなる高精度化を目指し水域(河川等)との関係の調査を進めている.
本研究では,平成30年北海道胆振東部地震の液状化地点分布を分析し,過去に検討した液状化発生率計算式(フラジリティー)との比較等を行い,結果の妥当性を検討する予定である.
<謝辞>
解析の一部に関しては,株式会社構造計画研究所の橋本光史氏,神奈川大学の落合務氏にご協力いただいた.建物被害の情報については,札幌市等各自治体より提供いただいた.関係各位に謝意を表します.
<参考文献>
・先名重樹・小澤京子・杉本純也・山田和樹,近年の液状化被害を踏まえた液状化発生率の検討,日本地震学会秋季大会,2018.10
・先名重樹・小澤京子,平成30年北海道胆振東部地震の液状化地点分布とその特徴,日本地震学会秋季大会,2018.10
・先名重樹・小澤京子,近年の液状化被害を踏まえた液状化被害率の検討, JpGU2019,2019.6